全国で頻発する豪雨被害。9月上旬にも愛知県と岐阜県で線状降水帯が発生し、名古屋市などで”帰宅困難者”が相次ぎました。台風25号が日本列島に近付いてくるなか、シルバーウイークに大雨もおそれも…。「もし自分が帰宅困難になったら・・・」。意外と知らない支援策について、確認します。
今月上旬に東海地方を襲った記録的な豪雨。「線状降水帯」が発生し、川の氾濫や浸水が相次ぎました。JRの線路も広範囲で冠水するなど、帰宅時間帯に大きな影響が出ました。
バスも終日運転見合わせになるなど、帰宅困難者が相次ぎました。

意外と知らない”帰宅困難者”の支援策 行政が民間事業者と協定
【災害時帰宅支援ステーション】
広島県はコンビニエンスストアやガソリンスタンドなどと協定を結び、帰宅困難者対策を進めています。
「災害時帰宅支援ステーション」は黄色いステッカーが目印で、トイレや水道などを借りることができます。
「帰宅困難者一時滞在施設」
広島市はJR広島駅やバスセンターなど、交通結節点周辺のホテルなど「35施設」と協定を結び、帰宅困難者の一時受け入れ先の指定も進めています。
行き場を失った観光客などをロビーや宴会場などで受け入れ、一時的に滞在できます。もし自分が帰宅困難者になってしまったら、広島市のホームページで各施設の受け入れ状況を確認してください。
広島市危機管理室災害予防課 西村進課長
「JR・広島電鉄などの協力も得ながら、円滑に対応できるように訓練している。国内外から多くの観光客も訪れているので、安心して広島市に来てもらえる受け入れ環境の整備をしたい」
大雨時の”屋外行動”リスク 「すでに浸水害などが起きている恐れも・・・」

静岡大学防災総合センター牛山教授によりますと1999年以降、全国の「風水害」で犠牲になった人が、被災した場所は「屋外」と「屋内」の割合がほぼ同程度です。
「屋外」で亡くなった人の3割が、車の中で被災しています。

一方、災害別に見ると、洪水などによる犠牲者は「屋外」が約7割を占めています。
雨や風が激しい状況での「屋外行動」はリスクが高いことが分かります。災害リスクが高まる前に「避難」することが重要です。
いつもの帰り道が、たった”数分”で濁流に覆われるともあります。
「数分で道路が濁流に・・・」西日本豪雨ドライブレコーダーの記録

これは2018年の「西日本豪雨」当日、広島市安芸区・矢野川沿いの県道34号線の映像です。午後7時36分、車は渋滞につかまり停車します。

それからわずか「3分後」。道路は一気に濁流になりました。
ドライバーの男性
「いろんなものが流れてきたり、対向車がバックやふらつきながら下りてきたりして、危ないと思った。反対車線にも、後ろにも車がいたで、Uターンするにも動けない状態だった」

停車から「8分後」には濁流の勢いはさらに増しましたが、この車はなんとか向きを変え、難を逃れました。
広島地方気象台 佐伯直之 防災気象官
「矢野川の映像を見ても、流域面積が小さい、中小河川では”数十分~数時間”で、危険水位に達することがある。今どこで、どのような危険が迫っているか知ることが重要」
気象台は、川の水位や道路の見た目だけで判断せず、数時間先の災害危険度を予測できる「キキクル」を避難の判断に活用してほしいと呼びかけます。

広島地方気象台 佐伯直之 防災気象官
「西日本豪雨の矢野川周辺の映像でも、午後7時半の道路に大きな異常はない。その時間のキキクルでは、すでに『紫色』で危険の表示になっている。1時間後にはこのように避難できない状態になった。『まだ大丈夫』が命取りになる」
大雨時”屋外”のリスクまとめ

徒歩・車に関係なく雨や風が激しい中で、「屋外」を移動するのは危険が伴うことを忘れてはいけません。
川沿いの道路は水の流れによって護岸が削られ、崩落するおそれがあります。
またアンダーパスなど周辺より低い土地は、冠水リスクが高いため決して近づいてはいけません。

「中小河川」は流域面積が小さく、距離も短いため、水が集まりやすく、急激に水位が上昇するのが大きな特徴です。
「水位が上がってきてから避難しよう」では間に合いません。
「大雨時の避難行動」と「日頃の備え」

改めて大雨が予想される場合は、「レベル4」までに、危険な場所から避難することが重要です。
ハザードマップで、浸水想定区域や土砂災害警戒区域に指定されている場所で、キキクルが「紫色」になっている場合は、厳重に警戒してください。
浸水想定区域に指定されていない場所でも、周囲より低い土地では、冠水・浸水のリスクがあることを忘れてはいけません。
「レベル5」になると、このタイミングで避難するのはかえって危険な可能性があります。
すでに道路状況が、西日本豪雨のドライブレコーダーのように濁流になっていたり、大規模な冠水が広がったりしているおそれがあります。
そのような状況では、遠くの家や避難所に無理に移動しようとせず、今いる建物の上の階や、崖・谷筋から少しでも離れた場所に身を寄せるのも1つの方法です。

地域の災害リスクはハザードマップ以外でも、確認することができます。
「中国地方整備局」は、アンダーパスなどの「冠水想定箇所」をWEBで公開しています。
こうした場所を平時に散歩やドライブなどで、実際に通ってみたり、迂回路を考えたりすることも備えになります。
台風や秋雨前線によって、大雨災害のリスクが高まるシーズンが続きます。過去の災害の教訓を、次に生かして備えることが重要です。
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