5月になって30℃を超える「真夏日」が続いていますが、夏本番はこれからです。本格的な暑さを前に体を暑さに慣らす「暑熱順化」が必要となります。この春から科学的根拠に基づいたトレーニングを取り入れている広島市消防局を取材しました。
広島市東区にある東消防署では、ダイレクトな日差しに照らされる中、隊員がランニングに励みます。
消防隊員
「かなり暑いです。熱がこもるのでかなりしんどいです」
風を通さない「雨がっぱ」を着て…

隊員たちが着用しているのは、風を通さない「雨がっぱ」。以前は半袖や活動服でトレーニングをしていましたが、体に負荷をかけるため、この春から導入しました。管轄区域の広い広島市消防局では、これまで、暑さ対策のトレーニングは、それぞれの消防署で独自に行っていました。今年度からは科学的根拠に基づいた「統一メニュー」を取り入れています。
マニュアルを監修したのは、早稲田大学のチームです。去年1か月間、東消防署で実際に隊員のデータを計測し、最も効率の良い内容を検討しました。
早稲田大学 スポーツ科学研究科 淺沼富美さん
「実動と当番日との兼ね合いもありますので、効果を最大限に発揮できるようなトレーニングをより最適化していく必要があると考えています」
見直されのは「効率」 隊員も堪えるトレーニングメニューとは
見直されたのは「効率」です。以前は1時間以上のランニングなど、負荷の大きいトレーニングを長時間行っていました。しかし今年度からは、40分のランニングに加え、短時間で運動量の大きいサーキットトレーニングを取り入れています。「15秒全力で運動して15秒休む」。これを20分程度繰り返します。

消防隊員
「きついのはきつい…体温が上がるのと、長時間熱にさらされるので、熱に強くなってきているのは実感しています」
広島市消防局では現場責任者への研修会も開かれ、熱中症のメカニズムなどについて学んでいます。
早稲田大学 スポーツ科学研究科 淺沼富美さん
「罹患してしまう原因としては高温多湿の環境に長時間滞在しているというのが大きな原因…」
熱中症になるときは体に何が起こっている?キーワードは「高温多湿」
具体的に、体にはどのようなことが起きるのでしょうか。気温が体温よりも高い場合、うまく体の熱を逃がすことができません。また、湿度が高い場合は汗が蒸発しにくく、たくさん汗をかいたとしてもしたたり落ちるため、体温が下がりにくくなってしまいます。淺沼さんは、熱中症になりにくい体をつくるため、段階的に運動の強度を上げていくのが大切だと話します。

早稲田大学 スポーツ科学研究科 淺沼富美さん
「急に暑い日に1時間がんばってランニングをするのではなく、5分10分のウォーキングから始めて行って、徐々に時間や強度を上げていく。梅雨前ですね、5月この時期から始めておくと熱中症リスクは多少は下げられるのではないか」
広島市消防局 警防課 大島正路さん
「火災現場では特に暑い状態になります。その中で、防火服だとか、空気呼吸器背負ってしまうと大変な負荷になりますので、そういった負荷に対して、強く、しっかり、火災現場で活動ができるように、市民サービス向上目指して、頑張っていってもらいたいと思っております」
気象庁も発表している3ヵ月予報では、6月から8月は平年よりも気温が高くなるとしています。今後、梅雨もあり、高温多湿で熱中症になりやすい時期です。早い時期から熱中症への予防をしていきましょう。
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