九州南部で27日朝、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が観測されるなど、本格的な大雨の季節が近づいています。

大規模な災害が起きれば、私たちの生活や物流は一瞬でストップしてしまいます。もしもの事態に備え、被災した高速道路をいち早く再開するための訓練が、広島県東広島市で行われました。

訓練は、大雨により土石流が流れ込み、山陽自動車道が通行できなくなったという想定で行われ、ネクスコ西日本など約90人が参加しました。

「災害が起きても早期に開放」最新技術を活用

まず行われたのは、ドローンを飛ばして現地の映像を対策本部に送る訓練です。土砂が流れ出た量を解析し、復旧計画を速やかに立てるためです。立ち入りが危険な地下水路では、ロボットを遠隔操作して、被害を確認しました。

被災した道路では、電源の確保も重要です。訓練では、EV(電気自動車)から電力を供給して照明を灯したほか、ドライバーに規制情報を伝える看板が設置されました。

通行止めが長期化すれば、物流や生活に大きな影響が出る広島の大動脈・山陽道。参加者たちは、真剣な表情で訓練に臨んでいました。

ネクスコ西日本 本園民雄 中国支社長
 「雨の降り方が激甚化し、短時間で一気に被害が生じるようになっている。災害が起きても早期に開放する。2車線であっても交通の線を守っていくことに努めたい」

西日本豪雨で土砂崩落 約3か月の通行止めに

広島県では過去に、高速道路の寸断で生活に大きな影響が出ました

広島市と呉市を結ぶ通称「クレアライン(広島呉道路)」です。2018年の西日本豪雨ではのり面が崩落するなどし、約3ヶ月にわたって全線通行止めとなりました。その影響か、国道では大渋滞が発生して、物流が大きく滞りました。

国は災害時でも機能を失わない強靱な道路ネットワークの構築を目指し、クレアラインを4車線に増やすことを決定。現在は危険性が高い場所を中心に、土砂を食い止める防護柵の設置や、山の斜面を切りながらの拡幅作業が進められています。

「物流停滞は命に直結する」家庭での備えは

山陽道など高速道路が止まると、広島だけでなく西日本全体の物流が滞るリスクがあります。経済的な問題だけでなく、医療物資が届かなくなるなど、まさに「命」に直結する重大な事態です。

道路の強靱化や復旧訓練が進められる一方で、私たち個人にも備えが求められています。物流が止まった最悪の事態を想定し、自宅で最低限、生活できるだけの水や食料・携帯トイレなどストックしておくことが極めて重要です。