NPT=核拡散防止条約の再検討会議は最終文書を採択できないまま閉幕しました。3回連続で決裂したことに対し、広島の被爆者たちからは失望や懸念の声が聞かれました。
閉幕当日もギリギリまで水面下での交渉が続いたNPT再検討会議。最終文書案は採択にこぎ着けるため4度の改訂が行われたものの、議長は「合意に至る状況にはない」と述べ、全会一致が必要な最終文書の採択を断念する意向を示しました。採択できなかったのは2015年以降、これで3回連続です。

関係者によりますと「イランはいかなる核兵器も決して追求、開発、取得してはならない」とした項目をめぐり、アメリカは残すよう主張した一方、イランやロシアは削除を求め最後まで溝が埋まらなかったとみられます。
アメリカ代表
「締約国はイランのせいで合意形成に進むことさえ許されませんでした」
イラン代表
「アメリカと同盟国はNPTの守護者ではなく、違反者としてここに座っているべきなのだ」
閉幕後、会見を行った国連の中満事務次長は次のように述べました。
国連中満泉事務次長
「今回の結果は極めて残念ですが、国連として、決して(この理念を)諦めることはないと強調しておきます」
この結果を受けて、広島の被爆者は――
県被団協 箕牧智之理事長
「だんだん文章が弱い文章になって、それ(ニュース)を見たら、やっぱりまとまらんかったか、核軍縮にみんな動けばいいが、核大国になっている気がする」

6歳で被爆した原爆資料館の元館長、原田浩さんは…
原爆資料館元館長 原田浩さん
「残念の一言。各国同士の争いというか、そこらをクリアできなかったというのは、ある意味においてやっぱり日本の責任にもなっていくんじゃないかと思います。保有国と非保有国の間の『橋渡し』をやると言いながらも、その橋渡しというのはどういう意味を持っているのか。もうちょっと頑張れる余地があったのではないかなと」

また、今回の会議に出席した広島市の松井市長は、「人間が過去の教訓から得た理性そのものが、揺らぎつつあることの表れだと受け止める」とコメントしました。

「条約の空洞化が始まる」との懸念も高まるなか、NPT体制を維持できるのか、正念場を迎えています。








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