夏休みも後半に入り、「そろそろ自由研究を終わらせなくちゃ!」というお子さんも多いのではないでしょうか?

「何を研究したらいいのか分からない……」

そんなときは、特別なものを探さなくても、身近にある「なんで?」に目を向けてみると、面白い研究が始まるかもしれません。

今回、ラジオカーで訪れたのは、広島市西区己斐本町にある科学実験教室「ラボ・オルカ」。

実はここで、子どもたちが身近な生き物をテーマに、本格的な研究を続けているんです。

ダンゴムシの研究に、カニの研究。

「そこまで調べるの!?」と驚くほど、子どもたちの探究心はすごいものでした。

週に一度、本格的な「実験」を楽しむ教室

塾長の くやみつお さんに伺うと、ラボ・オルカは科学や理科が好きな子どもたちが、習い事として通う実験教室。

初級・中級・上級に分かれ、週1回、音速や摩擦など、その日のテーマを一つずつ掘り下げて実験していくそうです。

そして、そんな中でも特に興味深かったのが、1年間を通して研究に取り組む「課題研究」。

今回は「ダンゴムシ研究チーム」と「カニ研究チーム」の皆さんにお話を伺いました。

「ダンゴムシは光のまわりを回る?」

高校1年生の神川綾音さんが取り組んでいるのは、ダンゴムシやワラジムシの「光に対する行動」の研究です。

きっかけは、先行研究にあった「ハマダンゴムシはロウソクの周りを回る」という記述。

「ほかの虫ではどうなんだろう?」
「ほかの光源を使ったら、どんな反応をするんだろう?」

そんな疑問から、今年4月に研究をスタートしました。

実験では、電気を全部消し、ブラインドも閉めて真っ暗に。

その中で、ロウソクや豆電球、UVライトなど、さまざまな光を使ってダンゴムシやワラジムシの動きを観察します。

中でも、ワラジムシがUVライトの周りをきれいに回ったことが大きな発見。

ただ、「なぜそうなるのか」を生態と結びつけて説明するところに、今も頭を悩ませているそうです。

実験して終わりではなく、「なぜ?」をさらに追いかけていく。

その姿に、本格的な研究の面白さを感じました。

2年間で107か所!広島周辺のカニを調査

続いてお話を伺ったのは、カニ研究チームの中学3年生、南牟礼悠太さん。

近年、南国に生息するカニが北上していることを知ったことをきっかけに、文献を調べていくと、広島周辺については、まだ十分に調査されていないことが分かったそうです。

「それなら、自分たちで調べてみよう!」

そうして始まったカニの研究。

なんと2年間で、107か所を訪れ、1711個体のカニを回収して調査してきたそうです。

そして、カニ研究チームのメンバーは南牟礼さんだけではありません。

この日、一緒に来てくれていたのが、中学1年生の住田悠輔くん。

顕微鏡をのぞき込みながら、カニをじっくり観察していました。

こうして仲間と一緒に、それぞれが調べ、観察し、考えながら、一つの研究を深めています。

そして、もう一つ驚きのニュースが!

先月には、島根県で南方系種のカニを発見。

今回のラジオカー中継が、その発見を初めて公表する場となりました。

2年間、実際にいろいろな場所へ足を運んで調査してきたからこそ見つけられた、大きな発見です。

「もっと知りたい」が、研究をどんどん深くする

教室には、これまでラボ・オルカの皆さんが獲得した賞状や盾もたくさん並んでいました。

子どもたちに研究の話を聞いていると、こちらが質問したことに対して、自分の言葉でしっかりと答えてくれるんです。

きっと、それだけ自分で調べ、考え、実験し、何度も向き合ってきたからこそ。

身近にいるダンゴムシやワラジムシ、そしてカニ。

普段なら「見つけた!」で終わってしまいそうな生き物も、「どうして?」「なぜ?」と疑問を持つことで、研究のテーマになるんですね。

夏休みの自由研究に何をしようか悩んでいる皆さんも、まずは身の回りにいる生き物をじっくり観察してみると、思わぬ「なぜ?」が見つかるかもしれません。

身近なものから始まった小さな疑問が、いつか大きな発見につながる。

そんな科学の面白さを感じたラジオカー中継でした。