三原市で男性が殺害された強盗殺人事件で、容疑者の逮捕から1週間が経過しました。容疑者と被害者は友人同士。2人の間に何があったのか、周辺取材で見えてきたものをまとめました。

6月29日、強盗殺人の疑いで逮捕されたのは広島市南区の無職、倉本幹太容疑者(29)です。

警察によりますと倉本容疑者は、友人の徳田雅希さんへの借金700万円の支払いを免れようと3月9日、徳田さんを三原市の会社敷地内に埋めて殺害した疑いが持たれています。

倉本容疑者と殺害された徳田さんは「地元の友人」

倉本容疑者と徳田さんは、地元の同じグループでよく一緒に遊んでいたといいます。

二人を知る人
「二人は中学校を卒業する前か高校生くらいから仲が良かった。普通に仲のいい友人関係だなと思っていた」

一方で、倉本容疑者は徳田さんから700万円の借金をしていました。また、徳田さん自身も借金を抱えていたといいます。

徳田さんも抱えていたとされる借金

「徳田さんから『お金を貸して欲しいので、電話させてもらった』と連絡があった」

そう話すのは、徳田さんに金を貸していたという男性です。

男性は徳田さんが中学生のころから知っていて、かつて自身の会社でも雇っていたことがあるといいます。

その徳田さんから今年2月、数年ぶりに連絡がありました。

借金返済期日の前日に徳田さんが殺害される

男性は徳田さんに現金500万円を貸し、3月5日と10日に250万円ずつを返済してもらう約束になっていました。

徳田さんに金を貸していたという男性
「3月5日に『9日にまとめて持って行ってもいいですか』と連絡あったが、3月10日にまとめて500万持ってきてくれと話をしたら、『わかりました』と言っていた」

「10日にまとめて支払う」。そう約束した徳田さんは、返済期日の前日となる3月9日に殺害されました。

これらのことは警察も把握していて、こうした金銭トラブルも事件の背景にあるとみて、捜査をしています。

強盗殺人事件のもう一つの“背景”

倉本容疑者の徳田さんへの借金返済が背景にあったとされるこの強盗殺人事件。

もう一つの背景とされるのが、2月16日に東広島市黒瀬春日野の住宅で、この家に住むリフォーム会社を経営する川本健一さん(当時49)が殺害された殺人・放火事件です。

東広島市の殺人・放火事件と倉本容疑者

警察は倉本容疑者と徳田さんがこの事件の「共犯関係」にあったとしています。

東広島市と三原市で起きた、2つの殺人事件を繋ぐとされる人物が倉本容疑者です。

倉本容疑者は東広島市で殺害された川本さんの「妻のおい」です。そして、川本さんが経営するリフォーム会社の従業員で、「後継者」とされる人物でした。

事件発生直後には、川本さんの通夜の段取りなどもしていたといいます。

亡くなった川本さんの妻の代わりに”通夜の段取り”

川本夫妻の知人
「17日あたりに知らない番号から電話があった。出ると川本さんの奥さんで、『スマホが壊れたので、幹太(倉本容疑者)の電話から連絡させてもらってる』と言っていた」

「(奥さんは)喉などを火傷していたので弱々しい声で、途中から幹太に代わり、幹太が通夜や告別式の時間、場所を伝えてくれた。まさか倉本幹太が東広島市の事件に関与しているとは思っていなかった」

倉本容疑者が抱える“金銭問題”

一方で倉本容疑者は、ギャンブルによる損失もあり、その額は約8000万円にも上るとされています。

さらに、自身も働く、川本さんが経営していたリフォーム会社が請け負った工事の着手金などをだまし取ったなどとして、起訴もされています。

「後継者」とも言われた倉本容疑者。警察は徳田さん殺害に至った詳しい経緯や、東広島市での殺人・放火事件も含めた事件の全容解明を急いでいます。

改めてみる事件の時系列

あらためて東広島市と三原市で起きた2つの事件の時系列を見ていきます。

まず、2月16日東広島市黒瀬春日野の住宅で、この家に住む川本健一さんが何者かによって殺害されました。

警察はこの事件の捜査の過程で、4月29日に三原市にある会社敷地内を掘り起こしたところ、徳田さんが発見されます。

そこから2ヶ月たった6月29日、警察は借金返済を免れようと徳田さんを殺害したとして、倉本容疑者を強盗殺人の疑いで逮捕。

さらに倉本容疑者と徳田さんが東広島市の事件の共犯関係とみられると発表しました。

2つの事件に出てくる3人の関係は?

徳田さんを殺害したとして逮捕された倉本容疑者と徳田さんは、地元の同じグループで、よく一緒に遊んでいた友人でした。

倉本容疑者と東広島市で亡くなった川本さんは、「義理の叔父とおい」という関係です。

また、倉本容疑者は、川本さんが経営するリフォーム会社で働いていて、「後継者」とももくされていましたが、警察は、倉本容疑者と徳田さんは「共犯関係」として、東広島市の事件に関与したとみています。

事件の背景にあるとされる“金銭トラブル”

事件の背景の一つには、倉本容疑者の金銭トラブルがあるとみられます。

倉本容疑者は徳田さんに700万円の借金がありました。この返済期日が、事件当日の3月9日前後にあったと見られています。

一方で、徳田さんにも別の人物に500万円の借金があったとみられます。、

徳田さんに金を貸したという人物によりますと、「3月10日にまとめて返済する」という約束をしていたということですが、その前日となる3月9日に徳田さんは殺害されました。

警察もこうしたやり取りを把握していて、こうした金銭のやり取りが事件にどう関係しているのか調べています。

倉本容疑者が抱える別の金銭トラブル

倉本容疑者には、このほかにも金銭トラブルがあったとみられます。

倉本容疑者は別の借金や、ギャンブルなどによる多額の損失を抱えていて、その額は8000万円に上るとされています。

このギャンブルにもかかってくるのが3件の詐欺・横領事件です。

倉本容疑者の「詐欺・横領事件」

倉本容疑者は、自身も働いていた川本さんが経営するリフォーム会社などで、会社が請け負った工事の着手金や、架空の工事に関する外注費などをだまし取ったとされています。

その額は合わせて1000万円に上るとされていて、このほとんどをギャンブルにあてていたとみられています。

今後の捜査のポイントは?

これからは、東広島市で起きた殺人・放火事件との関わりが捜査のポイントになります。

現時点で警察は、倉本容疑者と徳田さんは東広島市で起きた殺人・放火事件の「共犯関係」にあるとしています。

警察によりますと、事件発生から比較的早い段階で徳田さんが捜査線上に浮上していました。

では、2人がどのように、東広島市の事件に関与していたか、役割分担があったのか。動機は何があるのか…。

倉本容疑者は、リフォーム会社に関わる金銭トラブルも抱えているため、これが事件にどう結びついているのか、捜査本部はこうしたところを一つ一つ確認しながら、事件の全容解明に向けて捜査をしています。