RCCラジオでは6月、『聴いてAction! 防災・減災プロジェクト』と題して、大雨や台風など自然災害に対する日頃の備えを呼びかけています。

今回の『おはようラジオ』ゲストコーナーには、今年度で80周年を迎える建設コンサルタント、復建調査設計株式会社の沿岸地震防災部・金子智之さんにお越しいただき、巨大地震を見据えた社会基盤=インフラの防災・減災対策についてお話を伺いました 。

災害に強いインフラを支える「沿岸地震防災部」の役割

MC)まず、金子さんが所属されている「沿岸地震防災部」とは、どのようなお仕事をされている部署なのか教えていただけますか?

金子さん)私たちの部署では、港湾、漁港、海岸、空港などの施設について、安全で使いやすく、災害にも強い施設を目指して計画や設計を行っています。地震や津波、高潮といった災害に対して、ハード対策とソフト対策の両面から防災・減災に関わる業務を幅広く手がけています。

MC)具体的にはどのような場所の設計に携わっているのでしょうか。

金子さん)沿岸分野では、東北から九州まで全国の港湾や漁港、海岸の施設設計を行っています。最近では、能登半島地震で被災した沿岸施設の復旧設計にも迅速に取り組んでいます。
また、空港も私たちにとって大切な事業分野です。羽田空港や地元の広島空港などで、施設の耐震性能の確認や対策工法の設計に携わっています。
こうしたインフラ整備に加えて、災害時に人の命を守るためのソフト防災にも力を入れています 。

過去の巨大地震に学ぶ、港湾や空港の被災事例と対策の効果

MC)巨大地震を意識した施設づくりという点において、過去の震災では港や空港にどのような被害があったのでしょうか。

金子さん)代表的な巨大地震としては、1995年の兵庫県南部地震、2011年の東北地方太平洋沖地震、そして2024年の能登半島地震などがあります。地元の広島では、2001年の芸予地震も大きな地震でした。
これまでの震災では、港湾や漁港の埋立地において、液状化などによる地盤の変形被害が起きています。さらに、東日本大震災や能登半島地震では津波の被害も加わり、施設が使えなくなる事例が発生しました。

MC) 空港施設での被害や、その後の対策についてはいかがですか?

金子さん)空港では、1964年の新潟地震での液状化被害がよく知られていますが、その後は各空港で液状化対策が進められてきました。例えば東日本大震災の際、仙台空港では津波の押し寄せはあったものの、あらかじめ液状化対策が施されていた場所では大きな被害が発生しなかったことが報告されています。
一方で、先日の能登半島地震では、盛土で造られた能登空港において、液状化ではなく「地盤が激しく揺さぶられたことによる沈下」の被害が起きました。
災害はいつどこで起きるかわからないからこそ、常に新しい事例から学ぶ必要があります 。

シミュレーション技術と「WEB版ハザードマップ」で地域を支える

MC)沿岸地震防災部として、これからの備えに繋がる具体的な活動についても教えてください。

金子さん) 将来の地震、津波、高潮などの災害に備えて、シミュレーション技術を活用した被災予測や、対策工法の検討・設計を行っています。
それに加えて、ハザードマップの作成や、BCP(=事業継続計画)の策定支援も行いながら、地域の防災・減災対策を幅広く支えています。

💡 地元・広島における主な取り組み
広島空港:空港施設の耐震性能の確認
浸水対策:台風時などを想定した高潮浸水シミュレーション
ハザードマップ:府中町や廿日市市での「WEB版ハザードマップ」の作成

金子さん)これまでは紙のハザードマップが中心でしたが、WEB版へ移行することで、誰でもどこでもスマートフォン等から確認できるようになります 。業務全体でデジタル化が進んでおり、変化に対応しながら新しい技術を積極的に取り入れています。

最後に、ラジオをお聞きの皆さんにメッセージ

金子さん)復建調査設計は、港湾や空港だけでなく、道路や橋梁、河川などの社会基盤の整備も手掛けています。それらの施設を安全に、安心して使えるように水面下で支える仕事があることを、少しでも知っていただけると嬉しいです。
日本は自然災害の多い国ですので、日頃から備えておくこと、早めに危険を知ること、そして地域で協力することがとても大切です。
一人ひとりがハザードマップや地域のインフラの安全性に関心を持つことが、いざという時に適切な避難ルートを選び、自分や大切な人を守る力につながると思います。

MC) 私たちが普段何気なく使っているインフラの安全が、こうした技術によって支えられているのですね。本日のゲストは、復建調査設計株式会社の金子智之さんでした。ありがとうございました。

※2026年6月15日RCCラジオ「本名正憲のおはようラジオ」より

RCCラジオでは、雨の季節に、いろいろな番組でパーソナリティや気象予報士がふだんからの災害への備えを呼びかける「Life 聴いてAction!防災・減災プロジェクト」を6月1日~30日まで展開しています。

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