RCCラジオでは6月、『聴いてAction! 防災・減災プロジェクト』と題して、大雨や台風など自然災害に対する日頃の備えを呼びかけています。

今回の『えんまん。』ゲストコーナー「えんまんさん。」には、気象予報士の勝丸恭子(かつまる・きょうこ)さんをお迎えしました。

実はお互い業界が長いにもかかわらず、スタジオで顔を合わせるのは「本当の本当の初対面」というMCの2人。リスナーからも「楽しみにしていた!」という声や、「勝丸さんの笑顔のえくぼに落ちまくっています!」などというメッセージが届くなか、これからの梅雨の見通しや新・防災気象情報の活かし方、そして新刊に込めた想いをたっぷりと伺いました。

講演会でも高まる防災意識、地域の抱える課題とは?

MC) 勝丸さんは昨年6月にも『えんまん。』にご出演いただきましたね。最近は講演会の依頼も多いそうですが、やはり皆さんの防災意識が高まっているのでしょうか?どのようなお話を求められることが多いですか?

勝丸) 広島は大災害を経験していることもあり、意識が高くて呼んでくださるのかと思いきや、主催者の方からは「さらに意識が高まるように、楽しいお話を!」とリクエストされることが多いです。

その裏には「地域で活動する人が偏っている」「それぞれの家庭での備えがなかなか進まない」といった、地域ならではのリアルな課題を解決したいという思いがあるのだと感じています。「備えなきゃ」と思っている人は確実に増えているので、そのきっかけ作りを求められていると感じますね。

今年の梅雨の傾向は?6月下旬からは「台風とのセット」に警戒!

MC) 中国地方も6月4日に梅雨入りしました。平年より2日早く、昨年より19日遅い梅雨入りとなりましたが、今年の梅雨の傾向を勝丸さんはどう見ていますか?

勝丸) 6月・7月の雨量は「並み」か「若干多め」の可能性があり、梅雨を通してしっかり雨が降る見込みです。ただ、今年は色々と“普通じゃない”気象が続いています。

特に気になるのが、6月下旬頃から台風がまた発生しそうな気配があることです。そうなると、梅雨の「前線」と「台風」がセットになって、梅雨末期のような激しい大雨(豪雨)になる心配があります。

MC) 最近は梅雨の初期や中期でも激しい雨が降りますよね。雨の降り方が変わってきたのでしょうか?

勝丸) そうですね。梅雨の前半はシトシト雨……という昔のイメージは無くなりつつあり、地球温暖化の影響を強く感じます。最近では梅雨に限らず、3月くらいから「もう春の降り方ではないよね?」と感じることも多いです。

雨が降る日数は昔より減っているものの、降る時はドカンと降るという、天気の「メリハリ」が非常に激しくなっています。そのため、私たちは1年のうちで「備えるべき期間」がかなり長くなっているのが現状です。

新たな「防災気象情報」は「3と4」だけ覚える!溢れる情報を絞り込むコツ

MC) 5月末から「新たな防災気象情報」がスタートしました。早速、先日の台風6号の影響を受けて全国各地で本格運用されましたが、巷の反応はいかがでしょうか?

勝丸) 正直、発信するマスコミ側も少し混乱や不具合があったりと、課題も多かったです(情報が細分化されたため、昔の知識がある人ほど戸惑う面もあります)。受け取る側としても「なんか情報がいっぱいあるな」という印象を持たれた方が多かったようです。

避難情報やレベルがつかない暴風警報などが一気に出ると、「どれを信じたらいいの!?」と戸惑ってしまいますよね。

MC) まだ慣れない、覚えきれないという方も多いと思います。まず押さえておきたいポイントは何でしょうか?

勝丸)全てを完璧に理解しようとしなくて大丈夫です。一番のコツは、「自分に関係のある情報だけを追う」ということです。あらかじめ自分の地域のリスクを調べておけば、溢れる情報をすべて追いかける必要はありません。

💡 必殺技!自分の「災害タイプ」を4つに分ける

まずはハザードマップ等を見て、自分の住んでいる地域がどれに当てはまるか(2〜3種類程度に)絞り込みましょう。

川のそば(氾濫): 大きな川(県内12の河川)の洪水

大雨(中小河川・街なか): 中小河川の氾濫や、排水が追いつかなくなる「内水氾濫」

山のそば(土砂災害)

海辺(高潮)

自分の地域に関係のない情報は思い切って見なくてOKです。そして、自分に関係ある情報の 「レベル3」と「レベル4」だけは見逃さない! これだけを徹底してください(レベル5はすでに災害が発生している状況なので、3と4の段階で動くことが命を救います)。

勝丸) とはいえ、一度で覚えるのはとても無理ですよね。私も講演で説明した後に「おさらいテスト」をするのですが、皆さん「分かったつもり」になっていても、いざテストになると「あれれ?」となってしまう方がほとんどです。でも、あえて間違えることで「あ、そうだった!」と印象に残るので、走りながら覚えていければ大丈夫です!

【おまけ】藤田さんから"気象予報士"中元さんへのキラーパス

コーナーでは藤田&中元のMC2人の間でこんな会話にもなりました。
藤田弘之さんから、「実は」気象予報士の資格をもつ中元さんへ「今年の梅雨について、自分でシミュレーションしたりしないの?」とキラーパスです。

MC:中元) それが……運転免許と一緒で、免許を取っても実際に車に乗らないと上手くならないし、いざ路上に出るとなるとビビるじゃないですか。それと一緒で、資格はあっても完全なペーパードライバー状態なんです(笑)。
MC:藤田) じゃあ現状、何の役にも立ってないじゃん!
MC:中元) そんなことないですよ!「西高東低の冬型の気圧配置で、等圧線が混んでいたら風が強いんだな」とか、そのくらいは分かります!
MC:藤田) それは俺だって分かるわ(笑)!

スタジオは大爆笑。中元さんが「プロの勝丸さんがいらっしゃるんだから!」と、勝丸さんに改めて解説をお願いする一幕もあり、終始賑やかなムードで進行しました。

新刊『やってみようや ひろしま防災』現場のリアルな声を1冊に

MC) そんな勝丸さんですが、今月末の6月30日に新しい本を出版されます。タイトルは『やってみようや ひろしま防災』(定価1,650円)。執筆のきっかけを教えてください。

勝丸) 情報が新しくなるタイミングであれば皆さんに関心を持ってもらいやすいというのもありましたが、一番は「広島の防災に必要なことをひとまとめにしたい」という思いです。

私は15年間、広島で気象キャスターとして活動してきましたが、その間にも大きな災害がありました。その経験から学んだことや「これが絶対に必要だ」と感じたことを、テレビやラジオの放送以外の形でも、皆さんの手元にしっかり残る形でお届けしたいと考えたんです。

MC) まさに「広島県民のための防災本」ですね。制作には1年間を費やされたとか。特にこだわった部分はどこですか?

勝丸) この本のテーマは「自分事(じぶんごと)」です。一般的な防災論ではなく、広島に住む人が「私のことだ」とイメージできるように工夫しました。広島の見たことのある景色や街の名前を出したり、広島弁を使ってたとえ話をしたりしています。

さらに、西日本豪雨の際などに実際に現場で救助にあたった消防の方々へのインタビュー(リアルな体験談)も掲載しています。ネットには情報があふれていますが、これ1冊が家にあれば事足りる、という状態にしたかったのです。

MC) 自治体が配る防災冊子とはまた違う魅力があるそうですね。

勝丸) 自治体の冊子よりも、もう少し「天気を楽しむ要素」も入れ込みました。普段から五感をフル活用して天気を感じておくことが、いざという時に役立つと思うからです。

インターネットが苦手な世代の方でも扱いやすいよう、スマホのカメラでQRコードを読み取るだけで情報にアクセスできる工夫もしています。小学生の学習や、地域の防災リーダーの方々にも、ぜひ活用していただきたいです。

6月30日一般発売!今、これだけは伝えておきたいこと

MC) 改めて、新刊『やってみようや ひろしま防災』は、6月30日に一般発売です。最後に、勝丸さんから今一番伝えたいメッセージをお願いします。

勝丸) 防災ってどうしてもハードルが高く思われがちですが、大切な命を守るために、まずは一歩、「やってみようや、ひろしま防災!」ということで、よろしくお願いいたします!

MC) 「立ちまち(とりあえず)」本でも買うてみようかね、というところからですね(笑)。本日のゲストは、気象予報士の勝丸恭子さんでした。ありがとうございました!

新刊『やってみようや ひろしま防災』はアマゾンで先行予約受付中だということです。

※2026年6月10日RCCラジオ「えんまん。」より

RCCラジオでは、雨の季節に、いろいろな番組でパーソナリティや気象予報士がふだんからの災害への備えを呼びかける「Life 聴いてAction!防災・減災プロジェクト」を6月30日まで展開中です。

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