RCCラジオでは、「Life 聴いてAction!防災・減災プロジェクト」と題し、この時季だからこそ、いつどこで起きるか分からない災害への「普段からの備え」を呼びかけています。
今回は、企業が取り組む災害対策についてお話を伺います。
株式会社フジタ・土木本部・防災技術部の石田純平さんです。

- まず、石田さんがお勤めの「フジタ」。いわゆるゼネコン。
日本全国のみならず、海外にも17の事業所。世界に技術とサービスを提供している総合建設会社。もともと、広島生まれの会社ですよね?

石田)
フジタは1910年に広島市で創業。戦後復興では広島赤十字病院や広島城の再建に携わりました。本社は東京ですが、実は今でも「本店」を広島に構え、地域社会と共存共栄を目指し、スマートシティの実現や防災まちづくりに取組んでいます。(戦後の復興では広島城や広島赤十字病院の再建に携わりました)
創業の地・広島では本業の建設事業の枠を超えて、文化イベント、次世代教育、スポーツ振興など多角的に地域と関わっています。

ー 特に、防災・減災に並々ならぬ思いがあるそうですね?
石田)
⇒近年、自然災害が激甚化・頻発化する中、フジタは「いのちとくらしを守る防災・減災」を重要課題と位置づけています。
2020年には他のゼネコンにはあまり例のない「防災技術部」を新設し、私も所属しています。
災害が起きてから対応するだけでなく、“普段の暮らしや仕事の中で培った技術を、
非常時にも役立てる”というフェーズフリーの考え方も大切にしています。

ー どんな取り組みをしているんですか?
石田)
災害の予防、発災直後の対応、復旧・復興の各フェーズで役立つ技術・製品の開発に取り組んでいます。
総合建設会社としてこれまで国土強靭化、耐震補強工事などの災害予防対策から、緊急復旧工事や復興工事まで、ハード対策で貢献してきましたが、近年はそれだけでは不十分です。
そのため、衛星やドローンなどのデジタル技術も活用し、迅速な状況把握や意思決定を支援する“ソフト対策”にも力を入れています。

- ハード・ソフト、それぞれ具体的な事例を伺いたいんですが、なかなかどれもすごい取り組みですね…。まずはハード対策の事例ですが…。

石田)
また、「FT マッドキラー(土質改良材)」は泥状になった土砂を短時間で改良し、重機が走行できる状態にする土質改良材です。豪雨や土砂災害の発生直後は、道路がぬかるんで復旧作業そのものが進められないことがありますが、FTマッドキラーを活用することで、現地にある土砂をその場で再利用しながら作業用道路を確保することができます。その結果、災害復旧の迅速化や資材運搬の効率化につながります。

ロボQS(重機遠隔操縦装置)」は、一般的な油圧ショベルに装着するだけで、離れた場所から重機を操作できるシステムです。土砂災害の発生直後など、二次災害の危険があり作業員が近づけない現場でも、安全な場所から土砂の撤去や道路啓開作業を行うことができるため、救助や復旧の初動を支援できます。

- ソフト対策については?
石田)
セメント・石灰系の固化材より環境負荷が小さいことも特長です。

災害用簡易ベッド」は、避難所での生活環境を改善するために開発した製品です。避難生活では、食料や水の確保だけでなく、安心して休める環境づくりも重要です。このベッドは床からの冷気やほこりを軽減できるほか、テントを一体化しているためプライバシーの確保や感染症対策にも配慮しています。被災された方の「命を守る」だけでなく、「暮らしを守る」ことも大切にした取り組みです。

ドローン測量」は、被災地を上空から撮影し、そのデータをもとに地形や被害状況を3次元で見える化する技術です。建設現場では日常的に施工管理や測量に活用していますが、例えば土砂崩れが発生した場合でも、人が危険な場所へ立ち入ることなく、崩壊範囲や土砂量を把握することができます。
その結果、復旧工事の計画立案や必要な資機材の検討を迅速に進めることができ、早期復旧につながります。

現場の実態に即した「使える技術」を追求し、ハード・ソフト両面で防災ソリューションを展開しているんです。

ー フジタにとって、「ぼうさい」は単なる災害対策ではないと?
石田)
わたしたちにとって、“ぼうさい”は、「安全・安心な地域社会の構築」の一部。
つまり、建設事業を通じて「命」と「暮らし」を守ること、そして次世代にも受け継がれる持続可能な都市環境づくりが使命です。
自助・共助・公助のすべてのフェーズに関わるパートナーとして、防災と日常がつながる未来のまちづくりを実現していきます。

ー 創業の地、広島・・・ということで、フジタは2025年1月、広島市と「災害時における応急対応物資等の提供に関する協定(災害協定)」を締結しました。
石田)
この協定に基づき、25年度は広島市総合防災訓練にも参加し、ロボQSを活用した道路啓開訓練を実施するなど、実際の災害対応を想定した連携にも取り組んでいます。
協定を結ぶだけでなく、平時から訓練を重ねることで、災害時に本当に機能する体制づくりを目指しています。
また、防災政策や技術が進歩しても、自然災害そのものがなくなるわけではありません。
だからこそ、“災害は他人事ではない”という前提で、一人ひとりが普段から備えを考えることが大切です。
私たちは「ぼうさいこくたい」や自治体の防災訓練などにも継続して参加し、防災技術や経験を共有しながら、地域全体の防災意識向上につなげたいと考えています。

※2026年6月8日RCCラジオ「えんまん。」より

RCCラジオでは、雨の季節に、いろいろな番組でパーソナリティや気象予報士がふだんからの災害への備えを呼びかける「Life 聴いてAction!防災・減災プロジェクト」を6月30日まで展開中です。

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