高止まりしていたコメの価格に今、値下げの動きが出ています。
農家も動いています。先月末には、農家自ら値下げセールを企画。産地の広島県北広島町は、生産者・消費者双方が納得できる「適正価格」を探る会議を開きました。背景には消費者のコメ離れへの危機感があります。
農家が考える「適正価格」はいくらなのか?迫ります。
こめ奉行 重田弥生さん
「おはようございます。広島県のおコメ食べて下さい!」
先月末、東広島市を拠点とするスーパーでコメの値下げセールが始まりました。企画したのは世羅町の農業法人「こめ奉行」です。「県内産コシヒカリ」5kgを1ヶ月間、通常より600円あまり安い、税込み3986円で販売します。
こめ奉行 重田弥生さん
「消費が落ち込んだことを回復してもらうために」
長引く高止まりの影響で、この店では年明けの1月も、販売数量が例年より2割ほど落ちたということです。
早速、常連客が相次いで買いに来ました。
来店客
「ふだん高いから、きょう安くなるって広告で見たので、だから買いに来ました」
一方で、こんな声も。
女性客
「もうちょっとお値段、主食なので。3千円くらいまで下がれば、かなり助かりますけど」
翌日、三次市のスーパーです。当日限定で5kg税込み5千円弱の三次産コシヒカリを3240円で販売したところ、客が殺到。用意した50袋は、30分で完売しました。
女性客
「おにぎりとか、ちょっと私好きなんで我慢してたんで、それを食べようと思います」
このセールを企画したのも農家でした。50ヘクタールあまりでコメを作る三次市の農業法人の社長、藤原博已さんです。
ライスファーム藤原 藤原博已 社長
「おコメ離れがね、進んでいる中で、少しでもおコメに戻って来てほしいというか」
ただ、この価格はセール用に、原価ギリギリに抑えたものでした。藤原さんの関心は、この秋とれるコメの価格です。
ライスファーム藤原 藤原博已 社長
「だいたい店頭で3500円前後、税別ですね農家の方も継続できるし、生産がですね」
税込みでは5kg3千円台後半。価格が下落傾向にある中、半年後、消費者は買ってくれるのでしょうか?
県内産のコメの店頭価格は以前「5kg税込み2千円前後」でした。それがおととしのコメ騒動で高騰。去年は集荷競争の激化で「5kg税込み4千円台後半から5千円台」にまで吊り上がりました。
売れ行きの悪さから、各業者も利益を圧縮するなどして、一部のコメを「税込み4千円台前半くらい」にまで下げて来ました。そして今回ご紹介したのが「4千円を切るコメ」と「3千円台前半のコメ」です。
実は今、農家からは「この秋とれるコメは3千円を切るのでは」という見方も出ています。
消費者にとっては楽しみですが、農家にとってはきびしい数字。北広島町で開かれた「適正価格」を考える会議で話を聞きました。
ひろしまジン大学 平尾順平 代表
「適正価格、お互い納得できる価格というのは、どの辺にあるのかっていうことをちょっと探っていくような時間にしたいな」
県内有数のコメ処・北広島町。その町が主催して今月1日、開かれた「お米のみらい会議」です。
ひろしまジン大学の平尾順平さんを進行役に、地元の農家やコメ卸業者、国の農政局の職員らが適正価格について話し合いました。
パネラーの農家、水口一真さんは価格暴落を心配していました。
農家 水口一真さん
「今までのような価格に戻っちゃうと、もうおそらく農業者はやめてしまうんじゃないかなっていう危機感もありますので」
今までのような価格とは「5kg2千円前後」のこと。消費者から根強い待望論のある「2千円前後のコメ」ですが、農家にとっては赤字で補助金で穴埋めしていたそうです。
農政局の関学さんは「5kg2千円前後」の時は、流通・小売りの力が強く、生産者側は言いなりだったと説明しました。
この秋とれるコメの適正価格はいくらなのか?卸業者の才崎敏判さんです。
アグリプロデュース 才崎敏判 部長
「今の4千円よりかはやっぱり下回らないと。やはりまあ3千円よりちょっと上」
才崎さんは「5kg税抜き3千円、税込み3千円台前半」がボーダーラインになるのではとみています。
アグリプロデュース 才崎敏判 部長
「3千円以下になると、農家さんの方では、やっていかれないっていう価格になると思います」
農家はどう考えているのか?もう一人の農家のパネラー、宮崎翼さんです。
農家 宮崎翼さん
「『5kg3500円』っていうところは下回ってほしくない、最低ライン、税込み。肥料とか農薬とかっていうところの資材高騰っていうのがあるので。3500円から4千円くらいの間での、あの推移で」
一方、産地での開催とあって、消費者の意見などはほとんどありませんでした。
ひろしまジン大学 平尾順平 代表
「きょうはこの場は北広島でやりましたけど、消費者が集積してるエリア、まあ特に広島市の中心部であったりとか、そういう場で、みんなが考えていく場っていうのを継続的に必要だと思いましたね」
主催した北広島町は今後もこうした話し合いが出来ればと話していました。
適正価格について、今回取材した北広島町の宮崎さん、三次市の藤原さん、世羅町の「こめ奉行」とも、「5kg税込3500円前後からもう少し上」という答え。今は割安な感じだが、この秋はどうなるのでしょうか?
完全無料で広島情報


コメント (0)
IRAWアプリからコメントを書くことができます