日本国内で、20代や30代といった若い世代にも多く見られる「子宮頸がん」。この病気はワクチンで防ぐことができると言われていますが、日本での接種率は先進国の中でも極めて低い水準にとどまっています。
キャッチアップ接種の経過措置が3月末に迫る中、改めて「子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)」について現状を専門家に聞きました。

子宮頸がんワクチン接種を受ける女性
2025年12月、広島県東広島市で行われた集団接種。女性医師の問診を受けた後、女性たちが受けたのが子宮頸がんのワクチンです。
接種した人(23)
「副作用がすごいと聞いてて、(定期接種で)そのとき受けず、年齢が上がってみんな受け始めて受けようかなって」
子宮頸がんワクチン 国内での接種状況は?
ワクチンは、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス=HPVの感染を高い割合で防ぐとされています。ただ現状、日本での接種率は伸び悩んでいると専門医は話します。

専門医の大下孝史医師
さくらウィメンズクリニック 大下孝史院長
「(かつて接種後に)体のあちこちが激しく痛んだり、しびれが残ったり、マスコミ報道で流れたものをみると、皆さん、確かに怖いと言うイメージを皆さん持たれたと思うんですね」
副作用の懸念から、国はおよそ9年間、積極的な勧奨を中止していました。しかし、その間の調査で、ワクチンを接種していない人の間でも、同様の体の痛みやしびれといった症状が同程度の割合で出ていたことが明らかになりました。そのため国は、積極的な勧奨を中止していた期間に、接種機会を逃した女性を対象に、自己負担なしで接種できる「キャッチアップ接種」を実施。現在、この経過措置のため、対象者は3月末まで無料で受けることが出来ます。
さくらウィメンズクリニック 大下孝史院長
「キャッチアップ接種の接種率は上昇したんですけども、それでもたかだか60%弱というのが現状です。高校1年生までの定期接種にいたってはですね、まだまだ接種率は進んでないというのが現状だと」
現在は安全性が再認識され、国による積極的な勧奨も再開されていますが、「怖い」というイメージは根強く、日本の接種率は先進国で最低レベルとなっています。
さくらウィメンズクリニック 大下孝史院長
「子宮頸がんになってしまい、治療として子宮を取ったりすると当然妊娠できなくなる。ぜひ積極的に子宮頸がんワクチンのことを検討いただければと思います」
子宮頸がんワクチン 無料接種の対象者は…?
現在、無料で受けられる対象は以下の通りです。

- 小学6年生〜高校1年生相当の女性
- 今年度17歳〜28歳になる女性(※キャッチアップ接種制度を一度以上利用した人)
無料で受けられる経過措置は「3月末まで」となります。
自費で受けると数万円かかるケースもあるため、希望される方は早めの検討をおすすめします。
男性への接種もスタート。そのメリットとは?
実は、HPVワクチンは女性だけのものではありません。オーストラリアでは、男性への無償接種も行われています。国内でも、関東圏を中心に接種が始まっています。あくまで任意接種ですが、男性接種への助成制度がある自治体も出てきています。

男性がHPVワクチンを接種するメリット
男性が接種することには、主に2つのメリットがあります。
- 自分自身のがん予防
喉の奥にできる「中咽頭がん」などのリスクを軽減できるとされています。 - 大切なパートナーを守る(集団免疫)
HPV(ヒトパピローマウイルス)は性行為を通じて感染します。男性がワクチンを打つことでウイルスの蔓延を防ぎ、社会全体で子宮頸がんを減らす「集団免疫」の効果が期待されます
自分や大切な人を守るために、ワクチン接種について改めて考えてみませんか。まずは、お住まいの自治体のホームページなどで、助成制度や接種可能な医療機関を確認してみてください。
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