瀬戸内海に浮かぶ「真っ白い山」。雪山のようにも見えますが、実はこれ、私たちの生活を支える「あるもの」で出来ています。その驚きの正体を取材しました。

穏やかな瀬戸内海の沿岸を走っていると、視界に飛び込んでくる「純白の山」。その圧倒的な存在感に目を奪われます。
白山貴浩 記者
「ご覧ください!一面の銀世界なんですが、ここにあるのは実は雪ではありません。少し暖かい。実はこれ『塩』なんです」
ここは広島湾に浮かぶ無人島・三ツ子島。呉市の倉橋島の北側にあります。実は、この島自体が、海外から輸入された塩の国内最大の中継基地になっています。
かつて、旧海軍の検疫所があった三ツ子島。戦後に塩の中継基地となり、1966年から半世紀以上、24時間体制で日本の産業を支え続けています。船でしか渡れない『眠らない島』です。
三ツ子島埠頭 齊藤昇 社長補佐
「足がだるいよね、柔らかいと。(雨が降ったら溶けない?)いつも聞かれるんですけど、溶けないことはないです、塩ですからね。溶けたのが再結晶しますんで硬くなります。家の食卓塩、出なくなるじゃないですか。あれと同じです」

メキシコから3週間かけて到着した18万トン級のマンモス船。その荷揚げは、あたかも超巨大なUFOキャッチャーです。バケット自体の重さが21トン。一度に30トンの塩を吊り上げ、それを数千回繰り返し、作業は5日間ぶっ通しで続きます。
三ツ子島埠頭 尾濵哲也 班長
「夏はものすごい大変です。塩の照り返しと船の上で熱がこもるんで。不純物が混ざらないように細心の注意で」
三ツ子島埠頭 齊藤昇 社長補佐
「怖くなかったらもう少し寄ってみたら?怖いですね。51トンの荷物をこのクレーンで吊り上げてる、その下でブルドーザーが作業しとるんで、もし一歩間違ったらもう死に直結するというような。だからもう安全管理はもう、ほぼもう完璧にやってます」
ここで保管される塩のおよそ8割が、製品の原料となる『工業用塩』です。国内市場の2割近くをこの島が担っています。
その用途は多岐にわたります。最も多いのは、汚れを落とす成分として使われる洗剤や石鹸の原料。さらにガラスの透明感を保つために欠かせないほか、紙の漂白、さらには薬の精製など、まさに生活になくてはならないインフラの一部となっています。

三ツ子島埠頭 齊藤昇 社長補佐
「特に今はね、道路に撒く塩が一番ですね。(食べても無害?)無害です。全然、海の塩を天日で乾かして作った塩なので、食べても大丈夫ですけど、これはお客さんのもんなんで、一粒たりとも食べてはいけません」
山から塩を削るのは、1台およそ1億円の特殊重機。
三ツ子島埠頭 齊藤昇 社長補佐
「一番の大敵は錆ですね。ブラジルから持ってきたのを一度またこっちへ来て分解して、電線の継ぎ目すべて、防錆用のテープ全部巻いてます。あとは、排土板といって一番前側の板、ステンレスを使ってます」
さらに、山積みの形にもプロのこだわりが。
三ツ子島埠頭 齊藤昇 社長補佐
「安息角32度。塩が安定する角度が32度。これを例えば、50度にしようと思っても無理です」
島から全国へ。高速コンベヤーで1時間に1600トンもの塩を送り出します。
三ツ子島埠頭 平博文さん
「内側に入れ続ければ5分で(船は)かなり傾きます。船が傾いたり、トリム(前後バランス)がつかないように極力真っ直ぐになるように」

三ツ子島埠頭 齊藤昇 社長補佐
「地球上のほどんどのものに塩が使われています。ここを通って白い山を見たらですね、広島県呉市から全国へ、デリバリーされているというふうに思っていただければ、我々もまあ今後やりがいになる」
瀬戸内海に浮かぶ、この島は、私たちの暮らしを支え、日本の産業にとってなくてはならない『塩の島』でした。

提供 三子島埠頭









































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