広島県内で去年、過去最悪の被害額を記録した特殊詐欺。その被害額は、去年11月末の段階で22億円を超えています。
去年12月には、福山市に住む60代の女性が現金1億4300万円を手渡しでだまし取られる被害も発生していて、年間の被害額はさらなる拡大が見込まれます。
猛威をふるう特殊詐欺。いま、その主流になっているのが「警察官騙りのオレオレ詐欺」です。
先日、RCCの記者のもとに静岡県警を名乗る男から一本の電話がかかってきました。そして、次のようなやりとりがありました。
静岡県警を名乗る男
「キャッシュカードが含まれていましたので、押収している静岡県警の方では、例えば(記者の名前)さんが売買したんじゃないかと、もしくは関与しているじゃないかということで、容疑がかかっています」
RCC記者
「え、これって僕に容疑かかっているということなんですか?」
静岡県警を名乗る男
「そうです」
このような警察官を騙る詐欺が県内でも増え続けています。もし、警察を名乗る人物から電話がかかってきたらどう対応すれば良いのでしょうか?
県民の安心安全な暮らしのために、犯罪の手口や対策などの情報を発信する「広島県警・減らそう犯罪情報官」の直原順一さんに聞いてみました。
深刻な詐欺被害 県警・情報官はどう見る?

─直原さん、いま特殊詐欺の被害がそんなに深刻なんでしょうか?
直原順一さん
はい、去年11月末時点の数値になりますが、被害額は約22億3500万円に上っています。これまで最も多かった年間の被害総額が2014年の約16億3000万円なので、去年の被害はかなり深刻と言えます。
─警察官を騙った詐欺が多いということでしたが...
直原順一さん
広島県内で発生した特殊詐欺被害で最も多いのが、「警察官を騙ったオレオレ詐欺」です。被害額 約22億3500万円のうち、約15億3500万円が警察官を騙ったオレオレ詐欺によるものです。金額ベースで70%近くに上っていて、現在の特殊詐欺の主流だといえます。
─数字で見るとかなり増加しているのがよく分かりますね。
直原順一さん
オレオレ詐欺というと、子どもや孫を騙って高齢者に金銭を要求するイメージが強いと思います。警察官を騙ったものは被害者に子どもや孫がいる必要が無いので、若い世代を含めたあらゆる世代が詐欺被害の対象になってしまうことが特徴です。
広島県内で発生した「警察官騙りのオレオレ詐欺」

去年10月、広島県尾道市に住む60代の男性のもとに、保険局の職員を名乗る男から一本の電話がありました。
「あなたの保険証で違法な薬物を買った履歴があります。このままでは、保険証を止めることになります」
そう告げた男は「警察につなぐ」と言って電話を転送。転送先は他県の警察官を名乗る男で、そのまま取り調べのような質問が続いたといいます。
その後、男は、保険証とは関係の無い架空の事件の話しを始め、「投資詐欺の犯人が『あなたの口座を使った』と自供している。口座を売りましたよね」と男性に問いかけました。
男性には全く心当たりが無かったといいます。
男は「事件を担当している検察官に繋ぐ」と告げ、男性にチャットアプリ「Messenger」をインストールするように指示。そして、検察官を名乗る男とのやりとりが始まり、このようなチャットが送られてきます。
「あなたの口座がマネーロンダリングに使われている」
「資産を調べるので、家・車・貯金を差し押さえる」
「嫌なら資産を振り込め。調べ終わったら全て返す」
男性は指示されるまま、ネット銀行の口座を開設。現金 約2200万円をその口座に一度振り込み、そこから指示された暗号資産取引所へと入金しました。入金してから、誰とも連絡が付かなくなったということです。
また、一連のやりとりの中で男性は「警察にも銀行にも報道機関にも裏切り者がいます。犯人と通じているので誰にも言わないでください。これは『守秘義務』です」と念を押されていたということです。
「詐欺だ!」と気がつくポイントと今後の展望

─突然こんな電話がかかってきたら焦って正常な判断ができなくなってしまいそうですが...
直原順一さん
まさにそれが犯人たちの狙いです。このケースの場合は、その上で「守秘義務がある」と言って、警察を含め、他の人に相談させないようにしています。
─これが警察官を騙ったオレオレ詐欺の手口ということですが、詐欺だと気がつくにはどんなことに注意すれば良いのでしょうか?
直原順一さん
まず、警察官や検察官が捜査対象になっていることを電話で伝えることはありません。また、SNSで連絡することもありませんし、口座の開設や現金の振り込みを要求することもありません。
─怪しいなと思っても「守秘義務」と言われると自分ひとりで抱え込んでしまいそうですが、どこに相談すれば良いのでしょうか?
直原順一さん
相談したからといって「逮捕される」ということはありません。困ったり不安に思ったりしたら、まずは最寄りの警察署に相談してください。
─この「警察官騙りのオレオレ詐欺」は、今後も続くのでしょうか?
直原順一さん
去年の年末にも「警察官を騙った詐欺電話がかかってきた」という情報が入っているので、まだこの手口は続くと思われます。
一方で、従来からの子や孫を騙ったオレオレ詐欺も発生しているので、注意が必要です。























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