広島県廿日市市の極楽寺で、県重要文化財の観音坐像が、本堂に戻りました。普段なら、年に4回しかお目見えすることのない観音様が、屋外で神輿に乗せられ「お引っ越し」をしました。
極楽寺山の山頂付近にある極楽寺には、県の重要文化財に指定されている「木造十一面千手観音坐像」があります。
観音坐像は元々、毛利元就が1562年に再建したと言われる本堂にまつられていました。
しかし、去年6月、傷みが激しい須弥壇などの修復のために、一旦持ち出されました。
その須弥壇などが、京都の専門家の下で再建当時の姿に修復され、戻ったため、この度、観音坐像も戻されることになったのです。
松本明慶工房 松本明観大佛師
「一部どうしても使えない材料は取り替えているが、できるだけ使えるものは使って、柿渋を塗って、創建当時のような感じに直している。裏側から見てもらうと、新しい木やらを足して補強が入っているので、燃えない限り数百年ではびくともしないと思う」
安全に運ぶため、観音坐像の顔の上にある面や、付属品が外されます。
高さは2メートル10センチ、重さは推定200キロ…。
阿弥陀堂から出すのも、元の須弥壇に上げるのも、一苦労です。
100m足らずの距離を、2時間ほどかけて10人がかりで移動させました。
寺によりますと、今回観音座像が本堂から動かされたのは、およそ460年ぶりだということです。
極楽寺 菅梅行恭住職
「ほっとした、いうところ。もともと諸願成就の仏さんなので、皆さんの願い事を叶える仕事をしっかりやってもらいたい。そのお手伝いをやらせてもらうことを、すごく光栄に思う」
今後、観音坐像は、年に4回の御開帳の時だけお目見えします。次の御開帳は、4月20日を予定しています。
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