連日、火事のニュースを耳にしますが、これから春先にかけて急増するのが山火事です。今の時期、過去には広島県内でも大規模な山火事が多く発生しています。
平成以降、最も大きな規模となったのは、2004年2月に生口島で発生した山火事です。出火から鎮火までは8日かかり、島の面積の約1割にあたる390haが焼けました。
また、2024年1月には江田島市の陀峯山で約240haを焼く火事がありました。焚き火の不始末が原因で、4日間にわたって燃えました。
さらに今年1月17日には、江田島市で海上自衛隊の爆破訓練中に、射撃場付近の山林に火が燃え移ったとみられています。約30haを焼いて、出火から4日目に消し止められました。
広島県によると、過去5年間の県内の山火事件数は、2月~5月の期間に増えています。出火原因はたき火が55%、火入れ(枯れ草などの野焼き)が10%と大半を占めます。
広島県は全国でもトップクラスに山火事の多い地域です。過去35年間のうち29年間で、全国でワースト5位に入っています。
理由としては、
▽島しょ部で山が多い
▽海からの風であおられやすい
ことなどが挙げられます。
冬と春は火事の発生しやすい気象条件でもあります。冬は西高東低の気圧配置となり、日本海の湿った空気を含んだ北風が中国山地に吹き付けて雪を降らせます。
そのため、県の南部では乾いた空気が流れ込み、冬は乾燥しやすくなります。ことしに入って、南部では49日中、42日間乾燥注意報が発表されています。
冬場は降水量が少ないことも理由のひとつです。春は周期的に天気が変化し、冬よりは雨は降りますが、風が強まります。これまでの気象庁の観測で、日最小湿度のトップ10のほとんどは、1~5月に現れています。
今後、注意するべきことを県の担当者にうかがいました。
広島県 危機管理監 消防保安課 有馬博之 課長
「空気が乾燥しているとき、風が強いときには、枯れ草多くあるようなところ、火災が発生しやすいところでは、火の取り扱いに注意。野焼きやたき火はしないようにしていただきたい。火を使わなければいけないときには、使っている間はその場を離れないようにしていただく。使い終わったら必ず消すということ」
Q.山で火が延焼してしまったときは、どうすればいいのでしょうか。
広島県 危機管理監 消防保安課 有馬博之 課長
「もし広がりそうだという場合には、無理をして自分で消そうとせずに、すぐ避難をして通報していただければ」
毎年3月には、「全国山火事予防運動」が実施されます。標語は、「ふるさとの 山を守ろう 火の手から」
改めてこれからの時期、火の取り扱いに注意していきましょう。
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