2月は “立春寒波”が到来…、そして2月下旬も再び寒波が予想され、全国的に厳しい寒さになると見込まれています。そんな寒さから逃れようと「暖かい場所」を求めるのは、なにも人間だけではありません。猫をはじめとした小動物が自動車の車体に潜り込むケースも確認されています。エンジンルームは暖かく、猫にとって絶好の隠れ家となってしまうのです。
広島市安佐南区に住む伊達奈緒美さんです。先日、自家用車を点検に出した際、エンジンルームに異変が起きていたことを知らされました。
伊達奈緒美さん
「『柿の種』らしきものがあって、断熱材もボロボロになっていた。動物がいたのではないか」
車の整備会社からは「イタチか何かが入り込んだ可能性がある。年に何件はあるが、断熱材まで壊すのは珍しいケース」とのこと。さいわい、エンジンのトラブルはなかったようです。
伊達奈緒美さん
「まさかと思った。近所でも聞いたことがなかったので、ビックリした」
ただ、自宅の周辺は、草木が茂り、小川も流れるなど、動物たちの隠れ家となりそうな場所が点在しています。裏庭の外には、大量のフンの痕跡がありました。
伊達奈緒美さん
「ことしの冬は寒い。昔は畑などがあったが、ここ数年で宅地化された。住む場所がなくなり、とうとうココに来たかと思った」
伊達さんは、ボンネットをあけて動物がいないかどうかの確認を日課としたそうです。
狭い場所を好む動物と言えば『猫』です。実は、エンジンルームに猫が入り込んでしまい、JAFに救助要請が来るケースが全国で相次いでいるといいます。
「車体のどこからか鳴き声がする」
「生きた状態で、エンジンルームの方にいる」
小さな体が、時には大きなトラブルを招くこともあります。JAF広島支部にその場で簡単にできる2つの対処法を紹介してもらいました。
JAF広島支部 藤田陸さん
「(何の作業ですか?)猫バンバンです。」
車に乗る前に、ボンネットを軽く叩きましょう。猫に「ここにいるよ!」と気づいてもらうための合図です。ただ、手の届きにくい場所に隠れることも多く、簡単には見つかりません。
隠れてしまった猫を見つけるために、スマホの音声認識機能を使うのも有効です。猫の鳴き声に反応して、隠れている場所を特定できることがあります。
JAF広島支部 藤田陸さん
「(ボタンを)押すと、鳴き声が返ってくることが多い。(どれくらいの種類?)1ニャーから40ニャーまで。10ニャーにいくまでに大体返事がある」
猫が出てくるまでに長ければ1時間ほど、静かな探索を続けます。
JAF広島支部 藤田陸さん
「目星をつけたら間隔をあけて(ボタンを)押すと、場所が分かる。JAFで共有されてきた技」
万が一、猫の存在に気づかず車を走らせてしまうとエンジンベルトに巻き込まれて、大けがをしたり、車が故障したりする恐れがあります。
車体のどこかに小動物が入り込むケースは、猫以外にも、ヘビ・鳥・犬も確認されています。エンジンルームの熱を逃がすダクトに、鳥の巣があった事例もあり、意外な侵入者たちがいます。
寒い冬に多いと思われがちですが、実は夏の方が猫の救助要請は圧倒的に多いのです。2023年12月は24件だったのに対し、2024年6月は約15倍にあたる381件でした。
理由は、春先に子猫がたくさん生まれます。夏に猫が独り立ちして、侵入するケースが多いそうです。JAFのスタッフも「夏は暑い・雨が降る・小さめの猫が多く、捜索が大変」と話していました。
動物たちがエンジンルームに入るのを未然に防ぐ方法としては、動物が嫌がるにおいのモノを置くこともよいでしょう。
車に乗る前の安全点検は、動物のため、自分のためでもあります。猫バンバンは、猫の命を守るだけでなく、車の故障を防ぐことにつながります。ぜひ今日から実践してみてください。
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