ことしは暦の関係で2月2日が節分でしたが、広島に伝わる節分の変わった祭り=奇祭を紹介します。
広島市西区の旭山神社です。豆まきとともに、参拝者の皆さんが楽しみにしている節分の行事があります。
記者「きょうの『貝替え』でテレビ欲しい人」
参拝の子ども「はーい」
記者「だけど、お母さんが欲しがっているのは?」
参拝の子ども「ハクサイ!野菜!キャベツ!」
「貝替え」というのは明治時代から続く“運試し”、「貝替行事」のことです。
藤原能 記者
「こちらは貝の引換所になるんですが、この貝を求めて多くの方が列を作っています」
貝の中には数種類の「くじ」が入っていて地元の商店などが提供したお菓子や野菜などと交換できます。多くの人に福が行きわたるよう、貝は、全て「当たりくじ」ということです。
貝替行事のスタッフ
「Aセット、おたふくソース、ほいで、これはお菓子」
スタッフ「ハクサイです」
参拝者「ハクサイだ、やった」
藤原記者
「実際に割っていきたいと思います。キャベツがあたりました。こんな立派なキャベツが…」
旭山神社では毎年、5000個の「貝みくじ」を手作りしています。地域の住民や飲食店から集めた「貝殻」の中におみくじの紙を入れて貝殻を貼り合わせます。毎年11月ころから準備を始めるといいます。
参拝者
「楽しい」
「なんかいっぱいもらえたりして、去年もお花をもらって大切に育てたっていうのもあるんで、今年ももらえてラッキー」
参拝者
「貝の大きなものがいい物が入っとるかなと思ったけどそうでもなかった。あはははは」
旭山神社 秋本将司 宮司
「貝くじをひく事によって、福をいただいて春を迎えていただきたい」
神職の男性
「若君様、若君様、大変でございます。赤鬼が、赤鬼がやって参りました」
一方、こちらは中区の住吉神社。イワシの頭を焼いた臭いや煙で鬼を追い払い、厄除けをする「焼嗅がし」です。
ほかにも、最近の世相を反映したさまざまな「鬼」が登場しました。
神職の男性
「おっと、今年の貧乏神様は、ロマンス詐欺に遭い、さらにSNS型投資詐欺にも引っかかった『ダブルパンチ貧乏神』のようでございます」
こちらはマイコプラズマ肺炎とインフルエンザの両方にかかった「疫病神」だといいます。
疫病神
「ゴホゴホゴホ、どなたか助けてください、ゴホゴホゴホ」
闇バイトの鬼
「皆さん、一緒にいいバイトしませんか。高そうなケータイ、いいわ。もしもし」
こちらは、SNSを通じて犯罪の実行役を募るいわゆる「闇バイト」の「鬼」です。
参拝者
「鬼が来てるとか反応もあったので、面白く見られたのかなって思いました。みんな健康に元気に過ごせたらいいなって思います」
焼嗅がしに使われたイワシの頭は、ヒイラギの枝に刺して参拝した人たちに配られました。
住吉神社 森脇良佳 禰宜
「次々と鬼さんが出て参りまして、笑いで厄を追い払っていただいて、明るく楽しい1年になられますことをご祈念申し上げております」
広島の節分の奇祭はほかにもあります。
福山市新市町の備後一宮吉備津神社では、毎年、節分の日に「ほら吹き神事」が行われています。「ほら話」をして笑いで厄を払い、1年を楽しく過ごそうというものです。
2016年にRCCが取材した際には、地元の女性2人組がこんなほら話を披露していました。
「うちらが乗っとるこの座布団、空飛ぶ座布団。どこへでも飛んで行かれるんよ。さっきは道へ行って巻き寿司、買ってきたんよ。あの世へもびゅんと飛んで行く?」
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