今から140年前、広島県の世羅町に生まれた大妻コタカ。
明治・大正・昭和の時代に立ち向かい、
ただ一筋に女子教育の道を切り拓いた、その生涯をたどります。
コタカさんのふるさと広島県世羅町には、数年前から参拝客が増え続けている神社があります。
龍のような形をした幻想的な湖のほとりに建つ、大成龍神社。
大きいという字に成功の成、龍と書いて大成龍。なんとも雄大で勢いのある名前の神社ですね。
御神体は、ひと抱えほどの石で、地元の人からは親しみを込めて「大成(だいじょう)さん」と呼ばれています。
この神社の創建には、コタカさんが深く関わっています。
かつて、コタカさんが生まれ育った実家の裏山に、龍神を祀った小さなお宮がありました。これが、大成さんです。
ところが、明治時代の終わりごろ、同じ村にある八幡神社と合わせて祀られることになり、大成さんの御神体は八幡様に移されました。
それから20年以上経ったある日、コタカさんは不思議なお告げを聞きます。
「おれは、おまえの生まれたところの氏神、大成だよ。八幡様に同居させられたが、居候(いそうろう)はきらいだ。今は、おまえの実家の藤の木にいて雨露をしのいでいるが、おれのお宮をつくってくれないか」
なんと、大成さんから「お宮をつくってほしい」と頼まれたのです。
驚いたコタカさんは、このことを地元の人に伝えましたが、最初は誰も信じてくれませんでした。それでも、信心深いコタカさんは、頼まれた通りお宮を建て、八幡様にあった御神体を戻して祀ったのです。
やがて、大成龍神社は地元の人たちにとって、心のよりどころになりました。
そして、この神社とのご縁を大切にして立身出世を果たした人が、コタカさんをはじめたくさんいる、という話が広まったのです。
地元にゆかりのある有志によって参道も整備され、今では、出世の神様として全国から大勢お参りにやって来る、パワースポットになりました。
みなさんも、世羅町を訪れる際には立ち寄ってみませんか。
世羅町の大先輩、大妻コタカさんの物語はいかがでしたか。
つづきは、また来週
ごきげんよう。さいねい龍二でした。
この企画は、世羅町合併20周年と、世羅町出身の教育者で女性リーダーの草分け的存在・大妻コタカの生誕140年を機に、同氏の生涯を辿るオーディオコンテンツを制作、RCCラジオでシリーズ企画として放送するものです。
■ナレーター さいねい龍二
■ライター 角田雅子
■企画 奥土順二
■ディレクター・音効 石塚充
■プロデューサー 増田み生久
■協力 世羅町、大妻コタカ記念会、大妻女子大学
■写真提供 大妻コタカ記念会
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