世界的な建築賞・「ベルサイユ賞」で広島県大竹市の下瀬美術館が「世界で最も美しい美術館」に選ばれました。国内外から注目される美術館の館内を案内してもらいました。
「ベルサイユ賞」は、世界中の空港や商業施設などを対象にユネスコが創設した建築賞です。授賞式では美術館を設計した建築家の坂茂さんも喜びを語りました。
建築家・坂茂さん
「瀬戸内海に面した美術館で環境を最大限に活かしつつ、水に浮いて動くギャラリーや木造の建築などイノベーティブな点が評価された」
下瀬美術館は、広島市の建築資材メーカー丸井産業の創業家が持つコレクションが集められた美術館で、去年3月に開館しました。水に浮かんだように見えるカラフルな可動展示室がシンボルです。
下瀬美術館の川口さんに「世界一美しい美術館」の館内を案内してもらいました。
下瀬美術館・川口日耶さん
「こちらのスペースが当館の象徴でもあるエントランス棟。2本のヒノキの柱が特徴的です」
館内はガラスや鏡が多く使われ、建物の中にいながら、風景の中を歩いているよう。ベルサイユ賞の受賞は、美術館が自然と調和している点も評価されました。それを感じることができるのが、屋上のテラスです。
下瀬美術館・川口日耶さん
「目の前に広がっているのが宮島。可動展示室を上から宮島とセットで見てもらえるおすすめのスポットです」
さらに、国内有数の所蔵数を誇るエミール・ガレの作品に合わせた庭園も美術館の一部です。池をぐるりと周るように作られた遊歩道の脇には、ガレの作品に扱われている植物が四季ごとに植えられています。庭園からもカラフルな展示室が見え、花々と調和した非日常の風景を楽しむことができます。風で草花や水面が揺れる様子に心が癒されます。
下瀬美術館・川口日耶さん
「池や花にトンボや蝶が集まります。どちらもエミール・ガレの作品によく描かれるモチーフです。庭園を含む美術館と、所蔵作品、自然、虫、全てリンクして調和するよう設計されています。建物や自然を作品を鑑賞するような感覚でご覧いただけたらと思います」
インバウンドで韓国や台湾からの来館者も多いという下瀬美術館。ベルサイユ賞が発表された翌日から、県外ナンバーの車も目立っています。瀬戸内の環境と調和した「世界で最も美しい美術館」に、国内外から関心が集まっています。
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