愛媛県の南予地方に位置する、喜多郡内子町。この町には、その昔高尚な人物が川で穢れを落としたという逸話から、御祓(みそぎ)地区と呼ばれる場所があります。
今回はここで、地名の由来にもぴったりな滝行にチャレンジ!悪いものを祓い清め、疲れた心や身体をリフレッシュ。そんな「滝打たれ体験」の様子を今回はレポートします!
滝打たれ体験は例年6月中旬~10月上旬ごろに開催。通常厳しい修行としての滝行は水の冷たい冬がメインシーズンですが、ここでの滝行は冷水が心地よい夏に行われます。そのため、初心者でも気軽に体験できるんですよ。
体験の際は事前予約が必須。内子町の体験予約サイト・うちこあそび(https://uchikoasobi.com/%e6%bb%9d%e6%89%93%e3%81%9f%e3%82%8c%e4%bd%93%e9%a8%932024%e3%80%80/) にて、1週間前までに予約しましょう。体験は9:00~/13:00~の1日2枠があり、各回定員6名まで。早めの予約がオススメです。
遊びに行く前には、公式サイトで準備物をしっかりチェック。白装束やタオルなどは体験料(税込7,500円 / 人)に含まれますが、白装束透け防止のインナーは上下で持参が必要です。水着・ラッシュガードや黒っぽいTシャツがオススメですね。
当日の集合場所は、内子町のコミュニティスペース・みそぎの里(旧御祓小学校)。廃校を再利用したこの施設は、週末にかけてカフェや整体、理容院など、様々なお店も営業しているちょっぴりユニークな場所ですよ。
今日私たちを案内してくれるのは、インストラクターの泉さん。大阪出身の泉さんは、前職の退職をきっかけに内子町へ7年前に移住。これまで約3年間、多くの観光客を案内してきた滝行のプロでもあります。
体験のスケジュールは、まずみそぎの里で白装束に着替えたのち、御祓地区を20分ほど散策。その足でメインスポットの紅葉ヶ滝へ向かい、いざ滝行に挑戦!終了後は現地で着替え、再び歩いてみそぎの里に戻って解散。所要時間は約1時間半ほどです。
最初に泉さんから説明を一通り受け、参加費をお支払い。そして「じゃばらドリンク」で身体の中から悪いものを浄化しましょう!花粉症対策にも良いとされる内子の名産品・じゃばらは、酸味をしっかり感じるさっぱりとした味わいの柑橘。漢字では「邪払」と書きます。ご利益がありそう~。
それからレンタルの白装束にお着替え。リバーブーツも借りられますが、より本格的に滝行を楽しみたい方はプラス500円(税込)のオプションで草履をレンタルするのもオススメです。
滝行に持っていく「御守り」ももらいましょう。古くは紙の町として栄えた内子の和紙に、「日本棚田百選」にも選ばれた内子の原風景・泉谷の棚田が描かれたお守り。中に入っているお米は地元産の御祓米です。滝行後にお守りを持ち帰り、中のお米をふだんのお米に混ぜて食べる事で、身体の中から悪いものを浄化できますよ。
準備もバッチリ!御祓地区の散策へ出発です!
散策ルートは、みそぎの里を出て東に向かい、屋根付き橋を渡った先のしだれ桜を目印に、西の脇道へと入ります。そこをまっすぐ歩いていくと、紅葉ヶ滝へ向かう山道への入口があります。
杉の木皮を屋根材に使った珍しい造りの橋や、のどかな田園風景を眺めつつ、泉さんから御祓地区にまつわる逸話を聞いていると、あっという間に滝へ向かう小路に到着。
細い山道も歩きやすく整えられています。泉さん曰く、元々御祓地区という名のとおり、この紅葉ヶ滝では行者や山伏の修行、あるいは水神様である龍神を鎮める祭事や、邪気を祓う禊としての滝行が古くから行われていたそう。
小路を5分ほど歩くと、道の途中に東屋が。そのすぐ先に目的地の紅葉ヶ滝がありました。この日は数日前に県内全域で雨が降っていたため、水量も滝行にちょうどよい勢いになっています。
滝の前にある小さな祠には龍神様が祀られていました。まずは神様にご挨拶。お守りをお供えして、さあいよいよ川の中へ!
水の冷たさに最初はやや戸惑いますが、そのうち徐々に身体も慣れてきます。泉さんに誘導されつつ滝の前に到着。いざ水流の中へ入って滝行スタートです!
流れる水に頭や身体を入れると、見た目ほど水の勢いは強くありません。天然のシャワーに無心で打たれていると、少しずつ頭の中がクリアになっていく感覚。日々の仕事のことや忙しい生活の雑事でごちゃごちゃの思考が、すーっと流れていくような気持ちになります。
頭の中がすっきりしたな、悪いものが出ていったな、と感じたら滝行は完了!すぐ脇の小さな伏流に身体を通して清め、川から上がりましょう。もちろん抱えるモヤモヤの大きさは人それぞれなので、自分のペースで大丈夫ですよ。
川から出た後はもう一度龍神様の祠にお参りし、供えていたお守りを回収すれば、これにて滝行体験はおしまい!インストラクターさんが東屋に着替え用のテントを設置してくれるので、身体をタオルで拭きつつ白装束から元の服へ。着替えが完了したらみそぎの里へ歩いて戻ります。行きとは別の道をショートカットで帰るのでラクチン♪
無事みそぎの里へ到着した後、必要であればプラス500円(税込)のオプションでシャワー室を借りることもできます。また髪を乾かすドライヤーも無料で借りられるので、インストラクターさんに気軽に声をかけてくださいね。身支度を整えたら滝行は終了!お疲れ様でした♪
体験の嬉しいポイントとして、同行インストラクターさんによる写真撮影サービスも料金内に含まれます。体験後にクラウドサービスで写真データを共有してくれるので安心!撮影に気を取られることなく、しっかり五感で滝行を満喫しましょう。
邪気を払い、心身をデトックスする滝行が古くから地元に根づく内子・御祓地区。最近忙しくてなんだか心も体もぐったり。疲労やモヤモヤが溜まってる気がする…。そんな人はぜひここで、悪いものをスッキリ水に流してリフレッシュしてみませんか?
*2024年8月取材時の価格となっております。最新情報を確認してお出かけください。
■滝打たれ体験
住所 / 愛媛県喜多郡内子町只海甲456
最寄駅 / JR予讃線内子駅
開催時間 / 催行期間 : 例年6月中旬~10月上旬ごろ、時間 : ①9:00 ②13:00のいずれか
電話 / 0893-43-0620
料金 / 体験料7,500円 / 人(税込)
公式サイト / https://uchikoasobi.com/
瀬戸内Finderフォトライター 曽我美なつめ
▼記事提供元
「瀬戸内Finder(ファインダー)」は、瀬戸内を共有する7県(兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県)の魅力を世界に発信しています。
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