NYタイムズで「2024年に行くべき52ヵ所」の3番目に選出され注目度急上昇中の山口市。
室町時代には大内氏が栄華を極め、幕末の維新の志士や文化人の息吹を街の至る所に感じられる、
歴史遺産と自然の豊かな街です。今回は温泉街とSLを楽しむ1泊2日の旅をご紹介します!
山口市といえば湯田温泉。湯田温泉の歴史は古く、室町時代にケガをした一匹の白狐がお寺の池に足をつけており、それを見た和尚さんが池を深く掘ると温泉が湧き出たと伝えられています。
市内にある6か所の足湯はいずれも無料〜数百円で利用可能です!
まずは湯田温泉観光案内所でタオルと飲泉用おちょこを購入しましょう。
可愛い狐柄のタオルは、2種類のデザインから選べます。
タオル 税込200円/1枚・おちょこペアセット税込400円
観光案内所の敷地内にある無料の足湯から足湯巡りスタート!泉質は、肌触りの良いアルカリ性の単純温泉。美肌の湯とも言われています。
効能は、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、ぢ疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、他。
温度は体感で45度以上?アッツアツです!
足湯の隣には、飲泉があります。直接飲める温泉水は珍しいですよね。先ほど購入した狐のおちょこ(ぐい呑み)で飲んでみました。
お湯はお茶を淹れられそうなくらい高温です! 無色透明で飲みやすいお湯でした。
湯田温泉は、高温約70℃の天然温泉が一日2,000トンも湧き出し、地下パイプを通って温泉街のホテルなどへ供給されています。
こちらには木造の建屋の中に受湯槽があり、地下500mから源泉の湧き出る様子を間近で見ることができます。豊富な湯量と、熱々の温度が全国的にも類を見ない源泉です。
ここにも飲泉がありました。
観光案内所から徒歩2分のところにある井上公園には、狐のいる足湯があります。下校中の小学生も一休みする、地域の憩いの公園です。
井上公園から一本東の通りへ移動すると、湯田温泉の観光スポットや食べ歩きの情報が収集できる湯田温泉観光回遊拠点施設「狐の足あと」があります。館内には3種類の足湯が設けられており、足湯利用料(税込200円)にはタオルも付いてくるので手ぶらで行っても大丈夫です。
1階のカフェスペースでは、足湯につかりながら山口県産素材を使ったスイーツやコーヒーが楽しめます。大きな窓から庭園の緑を眺められて、開放感たっぷり!オススメは、山口の地酒「獺祭」や「東洋美人」などの利き酒セット。温かな足湯につかりながら飲む日本酒…いつもより気持ちよく酔えそうです(利き酒メニュー 税込500円〜)
庭にも足湯があります!屋外の『四季の湯』は広々とした岩風呂で木々に囲まれ自然を感じられる造り。ドリンクをテイクアウトして、お外でまったりするのもいいですね。
空調が効いた室内の足湯コーナーはゆっくり過ごしたい方にぴったり。他にも館内にはギャラリーや、山口市出身の近代詩人・中原中也に関する本などの展示もあります。大人も子どもも気軽に立ち寄れる人気の足湯施設となっています。
お昼には山口名物「瓦そば」の有名店「長州屋湯田店」はいかがでしょう?
瓦そば(一人前1,660円)を注文すると、熱された大きい瓦に乗って、ジュージュー音を立てて出てきました!
茶そばに、錦糸卵、肉、ネギ、レモン、もみじおろしがトッピングされていて出汁に薬味を入れて頂きます!麺がパリッとして、甘めの肉と一緒に頬張るとジューシー。レモンを絞るとすっきりした味に変化して2度美味しいですよ。湯田温泉観光案内所の向かいにあり、店内にはお土産物もたくさん並んでいます。
満腹になったら、温泉街から車で15分ほどのところにある香山公園向かいましょう。ここは瑠璃光寺の周辺一帯を整備した美しい公園です。馬に乗っている像の人物は、室町時代に中国地方の守護大名として名を馳せた大内弘世氏。大内弘世は京の風情を好み、地形の似ている山口盆地に「西の京」と呼ばれる街づくりをしました。室町から現代に続く長い歴史を感じることができますね。
山口市の観光のシンボルとも言える国宝「瑠璃光寺五重塔」は、奈良の法隆寺五重塔、京都の醍醐寺五重塔と並んで、日本三名塔の一つと評されています。手前の池から望む山と五重塔を組み合わせた景色が非常に美しく、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は降り積もった雪と、四季折々の絶景が見られます。現在は70年ぶりの改修工事中。2026年3月までは仮囲いの貴重な姿となっています。新しくなる五重塔のお披露目が待ち遠しいですね!
香山公園の隣には、明治維新の舞台となった臨済宗の寺院があります。井上馨が結成した鴻城隊の屯所や毛利敬親の仮住まいにもなった場所で、第一次長州征伐後に幕府恭順という藩の決定に異を唱える藩士たちが傷をつけたという柱も見ることができます。どっしりとした山門や観音堂は国指定重要文化財です。
気さくな住職が境内の案内をしてくださいました。地域住民が集う座禅会や寺内での映画鑑賞会など斬新なアイデアで近隣の方の憩いの場になっているそうです。
お寺には珍しいステンドグラスが見事です。
本堂の奥に進むと立派な馬場が!なんと毛利元就の子孫に当たる方が乗っていた馬が飼育されています。武家のお馬さんだけあって凛々しい♡
愛嬌たっぷりの山羊もいました。
本殿の隣に陶芸工房を発見!NYタイムズでも紹介された陶芸家舛井岳二さんが作業場として納屋を改装したもので、伺った時は、ちょうど窯に火入れをしているところでした。
温かくてフレンドリーな舛井さんのご厚意で、作業工程を一部拝見することができました。
ロクロをひねりあっという間に作られていく豆皿は、シンプルでミニマム。磁器のもつ無機質な光の中にも手作りの温かみがあって、手に取ると思ったより軽くて手のひらに馴染みます。
作品は店頭で気に入ったものを購入できるほか、オンラインや各種イベントでも購入できます。
舛井岳二プロフィール
1979年生まれ 萩焼きの窯元で12年の修行を経て2021年山口市にある毛利元就の菩提寺に境内の納屋を改装して窯を開く。萩焼の技術をベースとしながら、扱う素材と自身の技術を用いてその時々の組み合わせによって生まれる新しい表現を常に模索している。@mizunouegama
宿泊は、江戸時代の創業以来300年以上続く、幕末維新の歴史が残る松田屋ホテルへ。西郷隆盛や大久保利通らが、薩長同盟の確認や協議に訪れた際に会見した場所も残されています。
回遊式日本庭園を眺めるお部屋が人気の本館。芝が青々としていて池に映る宿が涼しそうです。しっとりとした和風客室は、広々としていて落ち着きます。
「明治維新資料室」には坂本龍馬や高杉晋作など、維新ファン垂涎の幕末の志士が集った史跡が多数保管されています。
坂本龍馬が好んで入浴したという、家族風呂「維新の湯」
大浴場「花柏の湯」
大浴場「湯の蔵」
大浴場「岩の湯」
ホテルの温泉施設が充実しているのも魅力で、ホテル内の湯めぐりでもすっかりとろけて1日目終了です。
松田屋ホテルを出発し、湯田温泉駅へ!本日はSLやまぐち号に乗る日!SLが到着するまでは駅舎内を散策してみることにしました。
駅前のシンボル巨大な白狐「ゆう太くん」がお出迎え。
駅舎に無料足湯があるので、列車が来るまで足湯でリラックスしながら待つことができます。
駅前にある狐ポスト。ほっこりしますね!
いよいよSLやまぐち号に乗車。2024年8月現在、土日を中心に、JR新山口駅〜津和野駅を1日1往復のみ運行しており、乗車チケットはすぐに売り切れてしまう人気ぶりです。
煙を上げながら走る姿をカメラに納めようと、沿道には多くのファンが訪れています。
車内では運転のシミュレーションゲームもあり、車掌になった気分を楽しめます。座席はレトロで明治、大正、昭和とタイムトリップしたようです。乗車について詳しくは公式サイト https://www.c571.jp をご覧ください。
世界が注目した山口市散策記事はいかがでしたか?街の至る所に史跡があり、自然豊かで食べ物が美味しく、湯田温泉で美肌まで叶う!何よりも出会う方々はホスピタリティに溢れていて、何度でも行きたくなる街です。
次の旅行プランの参考にしてみてくださいね。
*2024年8月取材時の価格となっております。最新情報を確認してお出かけください。
📍湯田温泉観光案内所
住所 : 山口市湯田温泉2-1-23
TEL : 083-901-0150
営業時間 : 9:00~18:00
https://yudaonsen.com/2017/07/26/2017712/
📍狐の足あと
住所 : 山口市湯田温泉2-1-3
TEL : 083-921-8818
営業時間 : 8:00~22:00
年中無休/入館無料
足湯利用料 : 大人200円 / 小中学生100円(足拭きタオル付き)
https://www.yuda-onsen.jp
📍香山公園
住所 : 山口市香山町7-1
入園 : 無料
📍洞春寺
住所 : 山口市水の上町5-27
参拝時間 : 8:00~17:00
https://www.facebook.com/tohsyunji/?locale=ja_JP
📍松田屋ホテル
住所 : 山口市湯田温泉3-6-7
TEL : 083-922-0125
https://www.matsudayahotel.co.jp
瀬戸内Finderフォトライター ふくいあすか
▼記事提供元
「瀬戸内Finder(ファインダー)」は、瀬戸内を共有する7県(兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県)の魅力を世界に発信しています。
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