RCC東京支社報道制作部長が東京での取材メモを配信します。
広島の記者が東京で感じたコト。また東京から見た広島とは。気ままに記します。
広島レモンサーモンと言えば、5月の広島サミットで首脳配偶者の食事にも提供されたブランド魚。
餌に広島レモンを混ぜて養殖しているのが特徴だ。
その広島レモンサーモンに続けとばかりに関係者が力を入れているのが
芸北サーモン だ。
実はこの2つは、そもそも同じ魚=ニジマスで、途中まで一緒に育てられている。
大きな違いはオスかメスかだ。先日、東京で開催された北広島町の食材を使ったグルメイベントで教えてもらった。
生まれ育つのは北広島町の大暮養魚場。
太田川上流域の冷たく清らかな水で育まれ、約2年後に海面養殖場に移送されるのは実はメスだけ。
このメスがレモンの餌を食べて広島レモンサーモンになる。
なぜメスだけなのか。
オスは海水へと変わる環境に適応できないためだという。
ではオスはどうなるのか。これまでは死ぬのを待って廃棄処分という運命だった。
「(メスと)同じように2年間手塩にかけて育てたオスを、死んでしまうまで待つというかわいそうなことはしたくなくて、何とかブランドにして川のサーモンを作ってやろうと」(生産者の片桐義洋さん)
海に出ていくメスを見送り、オスは大暮養魚場で成魚になるまで3年かけて育てられる。
海には行かず山の幸として消費者に届くのが芸北サーモンだ。
東京のグルメイベントにオンライン出演した生産者の片桐義洋さんは参加者に向けてオスへの愛情を熱っぽく語った。
イベントには“芸北サーモン”を蒸してやわらかく仕上げた一品が登場。
“芸北サーモン”誕生の経緯を知った参加者は興味深そうに味わい
「身が締まっていてさっぱりしている」と舌鼓を打っていた。
「芸北サーモン」ポシェ 「千代田みそ」クリームソース (イベントでのメニュー)
取り組みを始めて約4年。出荷量は増えていて、町内の道の駅で販売されているほか、町のふるさと納税の返礼品にもなった。飲食店での取り扱いも増えているという。
「芸北サーモン」のリーフレット(大暮養魚場)
生産者の愛情が生んだ新たな特産品。
オスの芸北サーモンがメスの広島レモンサーモンと肩を並べる日が楽しみだ。
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