ことしの夏は、全国的に極端な天候となり、葉物野菜の価格が高騰しています。広島市南区にあるスーパー「たかもり」では、買い物客が野菜売り場で困惑していました。
購入客たち
「葉物がすごく高くなっていますね。食べたいときは高くても買うんですけど、そうじゃないときは、違うものに変えたりとかしますね」
「結構上がっているなと思っていて、白菜とか高いなと思っています。子どもが食べるので、できるだけ栄養とってほしいので買っていますね」

「我々は何をしているのか…」元値で売っても高く 値引きする苦悩

10月に入り、葉物野菜の価格が上がったようです。
たかもり 伊木英人 副社長
「白菜は、これでも元値みたいな感じで、4分の1で199円で売ってますけど、高くて売れないから、値引いて売らないといけないんで。我々としては何してるか分かんない感じです。ほうれん草はちょっと前までは98円とか100円ぐらいだったんですけど。がんばってこの値段です」
ほうれん草は、1袋222円でした。

高値の理由は東日本の長雨

葉物野菜の価格高騰は、東日本の夏の天候が大きく影響しているようです。
たかもり 伊木英人 副社長
「やっぱり関東、あっちの方がかなり雨でやられてるんで。やっぱり相場は上がってますね」

東日本の太平洋側は、9月に雨が続き、統計史上最も多い降水量となりました。
たかもり 伊木英人 副社長
「全国から取り合いになっちゃうんで、広島で作った中国地方で作ったものが中国地方だけで消費されるわけじゃないので。だからその全国の相場に合わせて、やっぱり高いところに行っちゃいますから」

東日本では長雨でも西日本では雨不足…農家の苦労

東日本は長雨だった一方で、西日本の夏は猛暑となり、雨不足に悩まされました。廿日市市玖島地区の農家、正木彬さんは、標高300メートルのこの地域で、5年前からほうれん草を栽培しています。

正木彬さん
「毎年暑いのは暑いんですけど、まあ今年かなり暑かったかな。大体これが遮光率40%くらい」
夏の間は、「寒冷紗」と呼ばれるネットで日差しを遮り、水やりを強化したそうです。廿日市市津田のアメダスの観測では、8月の降水量は平年の11%にとどまりました。一方、9月は十分に雨が降りましたが、日照時間は平年の72%に。渇水の後は、日照不足に苦戦したそうです。

正木彬さん
「やっぱり根っこが傷んでしまうと、やっぱほうれん草に病気とか、障害みたいなのが出てくるので」

苦戦しながら育てたほうれん草のできは?

ほうれん草は種まきから40日程度で収穫されます。8月の終わりから育てたほうれん草のできを聞いてみました。
正木彬さん
「この時期にしては少し軸が細いかなとは思うんですけど、まあまあの出来かなとは思います」

10月に入ってからの日差しが、成長を後押ししてくれたようです。
正木彬さん
「スーパーで高くなってるっていうところもあるんですけど、やっぱり全国的な影響っていうのがあって、でもやっぱり県内では比較的、この秋からは順調に取れていくんじゃないかなとは思ってます」

気象庁が発表している季節予報によりますと、今後、冬にかけても高温傾向が続きます。暖冬になると、ほうれん草は生育が加速し、豊作になりやすい一方で、違った苦労もあるようです。
正木彬さん
「暖かいとどんどんできてしまって逆に今度は早く出荷してしまう。1月2月に物がなくなってくる可能性が出てくるので、やっぱり適度に寒くて、そういった環境になってくれればいいかなと思います。安くなったときっていうのはとてもよくとれてる時かなと思うので、もうどんどん買って食べていただければ、私たちも大変うれしく思います」

10月以降は全国的に安定した天気 野菜の価格は落ち着く見通し

全国的に10月以降、天候は安定してきています。JA全農ひろしまによると、今後は野菜の出荷量は増え、価格は下がってくる見通しです。ただ、まだ台風シーズンは続いていて、大雨が降るとその通りではないようです。また、暖冬になると、野菜全般は生育が進み、出荷量は増える傾向があります。この冬は、ほうれん草など、好きな野菜を選んで食べる鍋にも期待できそうです。