自宅で教え子の女性(当時21)の体を触ったとして、強制わいせつの罪に問われていた県立広島大学の教授・伊原伸治 被告(52)の裁判で、広島地裁は13日、懲役2年 執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。

判決によりますと、伊原被告は2022年12月、当時の自宅で、ソファーに座っていた女性の右隣に座り、その左肩に左腕を回して抱き、下着の上から上半身を複数回触りました。

検察側は、女性の「教授に触られた」旨の証言や、事件直後に女性が電話を掛けた友人の「震えた声で『助けてほしい』などと言われた」といった証言を証拠として提出したうえで、懲役2年を求刑していました。

弁護側の主張

弁護側は「証言内容があいまいで、抱きつかれた際の回避行動がない」「胸を触られる手の動きの説明がない」などとして、女性の証言は信用できないと主張しました。

さらに、「一緒に酒を飲んで話をしたが、わいせつ行為は一切しておらず、女性の虚偽申告である」として、無罪を訴えていました。

裁判所の判断は

そして迎えた13日の判決…。広島地裁の佐藤智彦 裁判官は、「女性の証言は、合理的な疑問を生じさせるような不自然な点はない」と指摘しました。

その上で、「友人の証言や通話履歴などの他の証拠との整合性を合わせて考慮すると、被告人がわいせつ行為に及んだ旨の核心部分について信用できる」として、女性の証言から、教授の男のわいせつ行為を認定しました。

「具体的に証言できなくても...」

一方、「女性の証言があいまい」「回避行動を取らなかった」とする弁護側の主張については、
▽「女性は被告人からの性的な接触を予期しておらず、突然の出来事に動揺していたと考えられ、回避行動を取らなかったとしても不自然ではない」
▽「本件から3年以上経過していることを考慮すると、被告人の動きを具体的に証言できなくても不自然ではない」
などとして退けました。

その上で、「信頼していた大学の指導教授から被害を受けた女性の精神的苦痛は無視できないが、前科が無いことなどを考慮した」として、懲役2年 執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。

判決を受け弁護団は

判決後、伊原被告の弁護団が広島弁護士会館で記者会見を開きました。

弁護団は判決について「論理法則や経験則に反する極めて不当な事実認定に基づくものである。教授本人も『絶対にしていない』と言っている。被害者とされる方の供述もブレているのに、判決で肯定されていて納得できない」どと話しました。

その上で、「時間の経過などを理由に供述の不整合を曖昧にし、有罪認定を行っていて、論理的妥当性を欠いている」として、「即日控訴した」ということです。