今年は、ベトナム戦争で枯れ葉剤が散布されて65年になります。枯れ葉剤被害者と被爆者の対談が、広島市内で開催されました。

被爆者の切明千枝子さんと握手するのは、グエン・ドクさん、45歳。「平和を本気で守っていこう」と2人で思いを重ねました。

ドクさんは、ベトナム戦争中、アメリカ軍が枯れ葉剤を散布したエリアに両親が移住し、戦後6年経って、結合双生児として生まれました。

7歳の時に分離手術を受け、ドクさんは活発に動けるようになりましたが、兄のベトさんは、26歳で亡くなりました。

ドクさんは、結婚して双子の父となり、現在は、NPO団体のCEOとして枯れ葉剤被害者などのために働いています。

枯れ葉剤被害と被爆 浮かび上がる共通点

日本に来たのは今回で59回目。広島は3回目で、ようやくじっくり資料館を見て回ることができたということです。

ドクさんは、「多くの犠牲者が出たのは、ベトナム戦争と同じだ」と話し、芳名録には、「みなさん一緒に平和な世界を作っていきましょう」と記されました。

被爆者 切明千枝子さん
「運動場の片隅を掘って、私はこの手で何人も何人もね、下級生のご遺体を焼いたの」

15歳で被爆した切明さんは、友だちが大勢亡くなる中、「生かされている」という思いがあると言います。

また、自身も甲状腺機能低下症で薬を飲み続けています。

ベトナム戦争集結後に生まれたグエン・ドクさんが伝える思い

枯れ葉剤被害者 グエン・ドクさん
「腎臓の手術を4回も5回も繰り返していますが、5回目が一番重症でした。私には、生涯治療が必要です」

ドクさんは、これまでに10回以上の手術を経験。ドクさんだけでなく、枯れ葉剤被害者からは、今なお新たな病気が見つかっているそうです。

枯れ葉剤被害者 グエン・ドクさん
「率直に言えば、まず言論の自由の確立が不可欠です。(若い人たちには)自分の考えを口にすること、戦争反対を表明し、世界に向けて平和を呼びかけることが求められています」

被爆と枯れ葉剤被害には、多くの市民が犠牲になり、未だ被害が続く点が共通しているとして、2人は、「戦争は絶対になくさないといけない」と話しました。