広島市の映像文化ライブラリーが被爆直後を記録した映画について通常の映画の画角では再生されない、フィルム余白の部分も含めてデジタル化しました。きょう、その説明会が行われました。

この映画は、日本映画社が1945年9月から翌年1月に被爆状況を記録しGHQの指示で制作した「広島・長崎における原子爆弾の影響」です。広島市映像文化ライブラリーでは2009年にこの映画の複製を手に入れ上映してきました。

映画は、スクリーンに映る範囲「画郭(がかく)」が設定されているため、元々のフィルムに記録された映像の中でどうしても映らない「余白」が生まれます。赤い線が上映の時に映る範囲ですが、上下左右に余白として映らない部分が存在します。

広島市映像文化ライブラリー 鈴木伸和映像技術専門官
「指の熱傷を免れていると説明していますが赤枠の画角では説明の対象である指先がこれまで見えておりませんでした」

この度、この余白に着目し、フィルムスキャナーと呼ばれる新しい機材を入れたタイミングでフィルムを確認したところ、人の顔や足の指先など、これまでの上映では見えない部分が見えました。

広島市映像文化ライブラリー鈴木伸和映像技術専門官
「ほとんど動画で記録されているものが無い中で、より情報量の多いものを、将来の私たちが、調査できるということが一番大きな意味があると思っております」

鈴木専門官は、広島編だけでも余白に複数人が映っていたということで、原爆資料館などと連携しながら、人の特定など調査が進むことを期待していました。広島市映像文化ライブラリーでは、この余白の部分も含めた映画の上映を明日は広島編、22日には長崎編を上映することにしています。

RCCで原爆関連のニュースを伝える際に使用しているこちらの映像は、今回の映画「原子爆弾の影響」を編集する『前』の段階の貴重なフィルムです。

この映画が完成した際に、関連資料がGHQに没収されるなか、密かに国内で保存されたもので、現在国立映画アーカイブの室温2度の環境で保管されています。

このフィルムと映像文化ライブラリーの映画両方に関わる、日映映像の加藤社長によりますと「どちらの映像にも余白の映像は残っている。今後、資料的価値のあるフィルムについては、外側を切り落とさずに、全てを残す形で、デジタル化を進めていくべき」としています。

RCCでは、引き続きこの貴重なフィルムに映る映像について取材を続けていきたいと考えています。