ヴィクトワール広島は創設12年目の今シーズン、国内最高峰のロードレースJBCFのJプロツアーで初の年間チャンピオンに輝きました。最終レースでの大逆転劇と2015年の参入初年度からのチームの軌跡を振り返ります。

ヴィクトワール広島は9月19日、Jプロツアー9戦目となる新潟での最終戦・南魚沼ロードレースに出場しました。12キロのアップダウンの激しいコースを12周する過酷なレース。ヴィクトワールからは個人総合で2位に付ける孫崎大樹、3人の外国人選手と久保田悠介、ラストシーズンとなる白川幸希の6人が参戦しました。

上位3人のポイントで争うチーム総合は年間争いで2位につけるも、首位の宇都宮ブリッツェンと442ポイントの大差をつけられていました。
<レース前:宇都宮4507P、広島4065P>

ヴィクトワール広島・西村大輝監督
「逆転を狙う上でポイント差を詰めていかないといけない我々にとってかなり厳しい状況で最終戦を迎えた。実力差がしっかりあらわれるようなレース展開にしていこう。“緩いレース”にならないようにしようという作戦でスタートしました」

作戦ズバリ!大逆転で掴んだ12年目、初の年間チャンピオン

監督の指示通り、序盤から積極的なレースを展開。

3周目、シュルツが他チームの選手と2人だけで抜けだします。メイン集団に最大6分以上の差を付けますが、9周目、追走集団に追いつかれます…。その後、ヴィクトワールはシュルツとバーンズの2人で逃げ集団で待機しタイミングを計ると、残り2周、足を貯めていたバーンズが得意の登りで一気に加速し、単独でスパート。ぐいぐいと力強く走り、後続を引き離していきます。そのまま2周。20キロを逃げ切って見事、優勝。800ポイントを獲得しました。

優勝したバーンズ

個人総合2位に付ける孫崎が14位で65ポイントを獲得。年間でも自己最高の2位に入りました。また久保田が22位に入り30ポイントを獲得。チームとして895ポイントを上乗せし、首位だった宇都宮が7位が最高で345ポイントしか上乗せできず大逆転でヴィクトワール広島がチーム創設12年で初の年間チャンピオンに輝きました。

ヴィクトワール広島・西村大輝監督
「率直に嬉しいですね。まさか日本一、ホントに取れると思ってなかったので獲得してくれた選手たちに感謝です」

ヴィクトワール広島・中山卓士社長兼GM
「12年の間、支えてくれてる方がいなかったらできていなかった。正直、途中で何度も挫折しそうになって苦しいこともあった…」

草創期は完走すらできないレースもあり、金銭面など苦労が多かった…

ヴィクトワール広島・中山卓士社長兼GM
「(創設当時は)日本一を掲げて5年後にはなるぞ、3年後には日本一になるぞ…くらい思ってやってたんですけど、甘かったですね。結構貧乏しながらなんとか歯を常に食いしばりながら運営してたなっていうのを思いますね」

2018広島クリテリウム

2018年に初開催した広島クリテリウム(西区・商工センター)では初回から予想を上回る7000人を動員し知名度を高めました。またチーム初の個人優勝は参入7年目の2021年で阿曽圭佑が達成。2022年からの3年間は外国籍選手たちが個の力で年に1度か2度、優勝をもたらしチームは上位の成績を収めるようになりました。

西村監督が就任した昨シーズン、同時に加入した孫崎大樹が才能を開花させいきなり優勝すると西村監督は週に1度の全体練習を徹底しました。

ヴィクトワール広島・孫崎大樹
「チームメンバー全員とコミュニケーションは密に取れているのでチームワークの良いところに出てるのかな」

西村大輝監督「切磋琢磨できるのがコンディションの良いところに繋がってるのかな」

さらに西村監督がSNSで勧誘したシュルツが実力を発揮。年間5勝の目標をクリアしました。

初の年間チャンピオンに導いた西村監督は今季限りで勇退…新チーム立ち上げへ

今シーズンはJプロツアー2戦目の広島大会(3月)でシュルツが優勝する好スタートをきると、西村監督が「昨年からの成績の伸び幅はぶっちぎりでバーンズ」と評価された28歳は5月のツール・ド・熊野でステージ優勝するなど国際レースで個人で総合優勝。加えて初のチーム総合優勝の2つの快挙を達成しました。

またもう一人伸びたのが孫崎。「ここ数年コンディショニングがすごく上手くいってる中で今年もすごく上手くいった」と話す移籍2年目の30歳は、5位以内が4度あり6月の石川ロードレースで優勝。一時、個人ランキングトップに躍り出ました。

創成期から支えてきた中山GMの信念のもと、着実に力をつけたヴィクトワール広島。ただチームの変化は続きます。「日本一」の称号を手にした西村監督は今シーズン限りで勇退し新たなチームを立ち上げます。

西村大輝監督
「チーム名はエンバー東京。4~5年後を目標に国際レースにも出ていけるようなチームにしたい」

9日から始まる国際レースでもあるツール・ド・九州、17日からのジャパンカップで西村監督率いるヴィクトワールは有終の美を目指します。

南魚沼ロードレースに参加したメンバー

南魚沼のレースでは12キロ×12周=144キロで争われた

2位で迎えたレース前は“厳しい状況”と語っていた西村監督

最終レースで895ポイントを加算し逆転で王者に輝く

参入7年目に個人優勝した阿曽圭佑

昨季加入しクリテリウム王者となった孫崎大樹

創設12年目でJプロツアー年間の王者となったヴィクトワール広島

今後のレース日程