近年、被害が急増している特殊詐欺の中でも特に多いのが「SNS型投資詐欺」です。SNSを通じて知り合い、投資に誘ってお金を騙し取る手口で、今年の被害額(8月末時点)の約4割を占めています。

さらに、SNSで知り合って恋愛感情を抱かせ、信用させてからお金を奪う「SNS型ロマンス詐欺」も深刻です。「将来の二人のために投資しよう」などと持ちかけるケースが多く、投資詐欺の被害はさらに膨らんでいます。
今回、実際に被害に遭った女性が取材に応じ、その巧妙な手口と陥った心理状態を語ってくれました。
「日本のこと教えて」きっかけはインスタに届いた1通のメッセージ…
「いま思えば洗脳されてたんだなと思って…」
そう振り返るのは、広島県内に住む50代の女性です。女性は、香港出身で41歳の「中村俊介」と名乗る男に、およそ3000万円を騙し取られました。

きっかけは去年9月、インスタグラムに届いた1通のダイレクトメッセージでした。
「日本に来て暮らしたいから、相談に乗ってほしい」
男からそう頼まれた女性は、すぐにLINEへ誘導されました。好きな音楽など趣味の話題で盛り上がり、距離が縮まったところで男から持ちかけられたのが「投資」でした。
「ハワイに家を買おう」利益を実感させ信用させる手口へ
女性が試しに50万円を投資してみたところ、実際に口座には約57万円が振り込まれました。「本当に利益が出る」と信じ込まされました。
信用させた後、男は甘い言葉でさらに大きな投資を要求してきました。
「もっとお金を増やして、一緒にハワイに家を買おう」 「僕は失敗したことがない。損がないように取引していて、利益が出たら現金に変えているから心配ないよ」
男からはすぐに返信が届き、寝ている時間以外はほぼ一日中メッセージのやり取りが続きました。

「僕、だんだんあなたに興味が湧いてきた……あなたみたいな人になりたいな」
甘い言葉と向けられる好意に、女性も次第に好意を抱くようになっていきました。
「嫌われたくなかった」疑いながらも進んでしまった被害
「ハニー、君は他の銀行のキャッシュカード持ってる?」やり取りを重ねる中で、男から名前を間違えられるなど、言動に疑問を抱く瞬間もありました。
不審に思った女性が「あなたが一番大事なのはお金なんでしょう?」と問いただすと、男はこう答えました。
「いや、あなたの身体のことが一番で、二番目がお金だ」
女性が病院へ行くとなれば「行く時と帰る時、結果はどうだったか知らせて」と常に体調を気遣う姿勢を見せていきました。

女性の中で「詐欺かもしれない」という疑いの気持ちがありながらも、被害は膨らんでいきました。
「やっぱり好意があって嫌われたくなかった。だから、周りが言うことよりも相手を信じた…」と振り返りました。
「自分が騙されていると思いたくなかった」被害女性が語る教訓
「1年くらい経って思うのは、洗脳されていたなということ。3000万円も失ったと知らされても、(当時は)それでも話をしたかったし、電話で声が聞きたかった」
自分自身を「疑い深いタイプ」だと思っていたという女性。「自分が騙されている」思いたくない気持ちもありました。

女性は当時を振り返り、被害に遭わないための教訓を次のように語ります。
「信頼できる人を一人作って、自分だけのことにしないこと。やっぱり甘い言葉は詐欺なんだと思う」







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