広島県のほぼ真ん中にある東広島市が、今売り込みに力を入れているものがあります。それは、広島県内唯一のブランド地鶏です。販路拡大に向け首都圏での売り込みに力を入れる中、この地鶏をメニューに取り入れた飲食店が東京にあると聞き、訪ねてきました。

多くの飲食店が集結する“激戦区”東京・中野。駅の北口から6分ほど歩いたところに「中野焼鳥 金長」があります。去年8月にオープンしたカウンター10席の落ち着いた店です。

ビルの3階にある隠れ家のような店「中野焼鳥 金長」

「今日は『東広島こい地鶏』のコースをお楽しみいただきます」大将の梶谷大輔さん(42)が笑顔で迎えてくれました。

大将の梶谷大輔さん(42)

「東広島こい地鶏」は、東広島市で誕生した広島県内唯一のブランド地鶏です。東広島市と広島大学の共同研究によるもので、うま味が濃く、脂の口溶けが良いことが特徴です。8月に東京都内であったPRイベントでは、生産者が「タウリンなどの機能性成分も多く含まれています」とアピール。試食した首都圏の雑誌の編集者たちは「やわらかくておいしい」と高く評価していました。

東広島こい地鶏のPRイベント(8月26日)

梶谷さんが最初に出してくれたのは「樵木(こりき)備長炭のエクレア」。焼鳥に使う徳島県の備長炭の食用パウダーを練り込んだ皮で、東広島こい地鶏のむね肉とチーズなど混ぜたクリームをはさんでいます。鶏の風味を感じるこだわりの始まりに、このあと続く焼鳥への期待が高まりました。

黒い皮と中のクリームを一緒に味わうと絶品

大将の梶谷さんは東広島市生まれ。小学校低学年で隣の島根県へ引っ越してしまいましたが、生まれ故郷の名前がつく地鶏に出会って一目惚れしたと言います。「濃いうま味や弾力もそうですが、しっかり含まれている脂が、焼くときに炭に落ちて燻す効果があります。おいしい出汁もとれるので、いろんなメニューに使えます」

一本一本に愛情を込めて焼き上げる梶谷さん

ささみ、手羽、せぎも。次々と出てくる東広島こい地鶏のうま味と弾力のある肉感は、噛みしめながら何度も頷いてしまうおいしさでした。

それもそのはず、店を訪れた飲食店関係者からも「これはどこの鶏ですか?」とよく聞かれるそうです。広島のブランド地鶏は料理のプロも認めるおいしさだったのです。
すると、梶谷さんが「他の部位も追加しますか」と。頼まないわけにはいきません。

せせり、砂肝、そして脂のおいしさが一番出るという ぼんぺた(尻尾と背中をつなぐ希少部位)も。レバーは口の中で溶けるほどのやわらかさでした。

希少部位の ぼんぺた

レバーは口の中で溶けるほどやわらかい!

この店は、東広島こい地鶏のほか高知県の「土佐ジロー」や岩手県の「ほろほろ鳥」など他県の地鶏や家禽も扱っていて、連日「主演・助演」などとローテーションを組んで焼鳥の魅力をアピールしています。
梶谷さんは「他県の鶏もすごくおいしい」としたうえで、「東広島こい地鶏の鶏舎を見学しましたが、景色や環境も素晴らしかったです。生まれ故郷の良さも東京で伝えていきたいです」と力を込めていました。
10月24日(土)には、生産者を招いて話を聞く「東広島こい地鶏の会」を開催して、広島県内唯一の地鶏の魅力を広げることにしています。