広島県福山市保健所は16日、市内の宿泊施設でウエルシュ菌による集団食中毒が発生したと発表しました。患者は97人に上りますが、いずれも軽症で快方に向かっているということです。

保健所によりますと、12日午後1時ごろ、福山市沼隈町の宿泊施設から「腹痛、下痢などの症状を呈している利用者が複数人いる」などと連絡がありました。

調査したところ、11日に福山市の飲食店業者が自社施設で調理した食品をこの宿泊施設に搬入。提供した食事を食べた1グループ233人のうち、10~60代の97人が腹痛や下痢などの症状が出ていることが判明しました。

共通食がこの施設での食事に限られていたことや、患者から「ウエルシュ菌」が検出されたことから、提供された食事を原因とする食中毒と断定しました。

これを受け、福山市保健所は16日、この飲食店業者に対し、自社施設での調理や宿泊施設への食事の提供などについて営業禁止処分にしました。

ウエルシュ菌の特徴は

ウエルシュ菌

福山市保健所によりますと、ウエルシュ菌の特徴や症状、対策は以下の通りです

<特徴>
人や動物の腸管、土壌、河川などの自然界に広く常在しています。酸素の少ない環境を好む菌で、また芽胞(がほう)の形態をとることがあります。

芽胞の状態になると熱や乾燥に強い特徴を持ちます。食品を大釜などで大量に加熱調理すると、中心部は無酸素状態になり、ほかの細菌が死滅してもウエルシュ菌は芽胞の状態で生き残ります。

その後、45℃程度に食品の温度が下がると、芽胞が発芽し、発育。食品中で大量に増えたウエルシュ菌を食べ物と一緒に食べると、小腸内で増殖してエンテロトキシン(毒素)を産生します。この毒素の作用により下痢などの症状を引き起こします。

潜伏期間や症状、対策は

<症状>
潜伏期は6~18時間(平均10時間)で発症。下痢と腹痛が主な症状で、嘔吐や発熱はまれ。多くは1~2日で回復するということです。

<原因食品>
多種多様な煮込み料理(カレー、シチュー、麺のつけ汁、野菜煮付けなど)

<対策>
・食肉、魚介類、野菜の煮物は、前日調理や作り置きを避けて、調理後はすぐに食べる。
・再加熱する際も十分に加熱すること。(中心温度75℃、1分以上)
・一度に大量に作るときは、菌の発育しやすい温度を長く保たないよう注意すること。(10℃以下か55℃以上で保存、小分けして急速冷却など)