「TOKIO」の元メンバー山口達也さんが16日、広島市で講演しました。華やかな活躍の裏で抱えていた「孤独」や「不安」。「アルコール依存症」について自身の経験を語りました。

「講師と言っていただいているんですけども、1人の依存症当事者です。私は5年前にアルコール依存症であるということを認めました」

そう語るの山口達也さん。依存症に対する偏見をなくし、正しい理解を促そうと、広島県が開催した今回のイベント。テーマは「アルコール依存症」です。

「遊ぶ時間がなくてもお酒だけ飲めればいいや」

山口さんは30代後半ごろ、仕事が多忙を極めるにつれ、お酒の飲み方に異変が生じたといいます。

「実際に遊びに行く時間もなくなっている中で、お酒だけ飲めればいいや、うん。だって死ぬまで飲もうって決めたんだもん」

「365日のうちのね、360日くらいはお酒を飲むんです。飲まないと1日が終わらないと思っていた」

「自分自身が勝手にダメだと思っていた」

2018年に起こした不祥事をきっかけに、お酒をやめると誓うも、2020年に再び飲酒運転による事故を起こしてしまいます。ここで、アルコールの専門病院に入院しました。

振り返ると、周囲から羨ましがられる立場にあっても、心の中では、「生きづらさ」や「不安」を抱えていたといいます。

「自分自身が勝手に自分のことをダメだと思っていた。誰かと比べていて、人に褒められれば褒められるほど、評価されればされるほど、この人、俺に対して嘘ついてるんだと。つまりこれが生きづらさなんですよね。そこに私はお酒がたまたまあった」

「依存症って孤独になるんだけど…」

病気と向き合い、現在は再発を防止する段階にあるという山口さん。会場に力強いメッセージを送りました。

山口達也さん
「依存症って孤独になるんだけど、常にいろんな人と密につながることじゃなくて、自分に大切、必要な、助けてくれる人とだけつながっていけばいい。違うなって思ったら違う人に移動するべきである。そうやってコミュニティをかえていく必要がある」

依存症とどう向き合う?専門家は

「KONUMA記念 依存とこころの研究所」所長の加賀谷有行医師は「家族や仕事を失って、初めて医療につながって、『依存症だと気づく』人も多い」と話しています。

加賀谷医師は、「過度にコントロールしようとしないこと」が大事だと話します。思い通りにならないと家族の方がイライラしたり、悩んだりする可能性があるからだということです。

そのため加賀谷医師は「家族が先に専門機関へ相談にいくのも一つの手」だと話します。

距離が近い家族だからこそ、感情的になって強く当たってしまうことがある。保健所や精神保健福祉センターなど、「外部の専門機関へ家族が先に相談に行き、客観的なアドバイスを受けることも回復への第一歩」と話していました。