広島ラーメンの代名詞「陽気」が、海外に出店します。戦後の屋台から始まった伝統の味が海を越えます。

広島ラーメンの老舗中の老舗中華そば「陽気」江波本店。1958年、一台の屋台から始まり、「寿々女」「しまい」と並び、広島ラーメンの「御三家」としておよそ70年、広島の街と共に歩んできたソウルフードです。

母から息子へ、ビデオ通話で送るエール。「陽気」伝統の味を次世代へ


「豚骨醤油のスープの味が深くておいしいです」
「20年~30年通っている」
「広島来て12年です。この味の魅力にはまってしまって月一で通ってますけど、ほんとにおいしいラーメン」

中華そば 陽気 江波本店 原裕美 店長
「主人が亡くなって15年になりますけど、お客様のおかげでここまで」

中華そば 陽気 江波本店 原裕美 店長
「心一君ビデオ通話にして」

店を守る裕美さんのもとに、電話が届きました。

レストラン 中華そば 陽気 原心一 店長
「オープンに向けて今すごくタイトだけど…」
中華そば 陽気 江波本店 原裕美 店長
「頑張って。それぐらいしか言えない」

「日本と同じようにはいかない」困難の連続。修行4年、異国に漂う醤油豚骨の香り

広島で愛されてきた伝統の味が、この度、海を越えることになりました。店を構えたのは、カナダのモントリオール。挑戦するのは、長男・原心一さんです。ワーキングホリデーで渡航してから4年、ようやく開店の時を迎えました。

レストラン 中華そば 陽気 原心一 店長
「冬が特に寒くてマイナス20度以下。寒すぎて業者が来れないとか工事ができないとか、やっぱ日本と同じようには進まない」

この日は、オープンを前にした試食会。

カナダ人
「本物の日本の味、すばらしい」

日本で4年近く修行を積んだ心一さん。食材も環境も異なる地で、「陽気」伝統の味を再現するのは困難の連続でした。

レストラン 中華そば 陽気 原心一 店長
「全く同じ味ではないけど、どうやったらお客さんに喜んでもらえるような味を出すかっていうのを毎日考えながら、もうお店に寝袋置いて最初寝ながらやってました」

「広島を、世界へ」ラーメンから繋がる縁。モントリオールに灯る6番目の灯火

メニューには「中華そば」に加え、現地ならではの工夫も。

レストラン 中華そば 陽気 原心一 店長
「こちらはベジタリアンの方とかも多いので、ベジのスープを使ったラーメンとか、あと揚げ物だったりとか。で、こっちの現地のシェフの方と一緒に」

心一さんは、「陽気」の真髄は味だけではないと言います。

レストラン 中華そば 陽気 原心一 店長
「味ももちろん大事なんですけど、地元の人に愛されるお店っていうのを・・目を合わして感謝の気持ちを伝えて、美味しく食べて幸せになってほしいっていう気持ちの方がたぶん多いかなと」

「陽気」の精神は、しっかりと受け継がれていました。

中華そば 陽気 江波本店 原裕美 店長
「小学校の文集を開いたりすると『父の跡を継ぐ』と書いてあったり…ほんとかなと思うけど。主人と『いつか海外で出来たらいいね』なんて話していたのが…なんかこう…すいません。現実になってきたから嬉しいばっかりで」

レストラン 中華そば 陽気 原心一 店長
「中華そばだけじゃなくて、広島のことを皆にもっと知ってもらって、そして日本に行った時にはぜひ広島に美味しいもの食べに行こう、日本酒やらお好み焼きだっていうふうな人が、少しでも増えてもらえたら嬉しいなと、いろんな人が出会って、そういう縁が繋がるようなお店にはしたい」

6店舗目となる「陽気」はあす、オープンします。モントリオールの街に、広島伝統の醤油豚骨の香りが漂います。