「紙屋町シャレオ」は4月11日で開業から25年となります。シャレオは広島都心の一等地の地下にありますが、5年連続の最終赤字に陥っています。現状と課題、今後の展望について取材しました。

小林康秀キャスター
「ここは紙屋町交差点です。かつてこの場所は横断歩道があり多くの人通りはこの地上の交差点を通って行き来していましたが、地下街の完成と共に姿を消し様変わりしました」

かつて1日に13万人が往来していた、紙屋町交差点。その地下一帯に2001年、広島初の大型地下街として「紙屋町シャレオ」が開業しました。東西390メートル、南北225メートル。地下に歩行者が流れ込み、広島で初出店のスターバックスコーヒーは長蛇の列。およそ70店舗が広島の都心に軒を連ね、多くの人が詰めかけました。シャレオの運営会社である広島市の第3セクター、広島地下街開発の長光社長です。

広島地下街開発 長光信治社長
「開業当初はですね、20代から30代の女性をターゲットにということで、そういったことでファッション関係のお店も全体で3割を超えるというふうな状況がありましたが…」

しかし開業から1年の売り上げは目標の3分の2にとどまりました。若い女性客に特化したことで、幅広い集客につながらなかったためです。開業前の負担も重荷となりました。

軟弱な地盤での地下工事で総工費はおよそ480億円に膨らみ、開業は当初の想定より2年あまり遅れました。こうして開業から5年が過ぎる前に、運営会社は債務超過へと陥りました。さらに追い打ちをかけたのは、カープの本拠地がシャレオそばの旧市民球場からマツダスタジアムへと移転したことでした。

広島地下街開発 長光伸治社長
「その時に人流がかなり減ってですね、売上も減ったというふうな状況もあったようですので、やはりそれも大きな要因だったという風に思っています」

球場跡地に近い西通りの先にはかつて飲食店が多く並んでいましたが、退店も相次ぎ人通りが激減。コロナ禍がさらなる追い打ちとなり、いま運営会社は5年連続の赤字に陥っています。なぜ対策が進まなかったのか?長光社長は地下街特有の安全面の配慮を理由に挙げます。

広島地下街開発 長光信治社長
「それぞれの店舗の区画がある程度制限されたり、火気の使用が制限されたりということがありますので、なかなかそういった状況を満たして出ていただけるテナントさんを見つけるのが大変な状況」

まちづくりに詳しい中国地域創造研究センターの吉田さんは、テナント誘致が難航する背景について、こう指摘します。

中国地域創造研究センター吉田実主席研究員
「東側と西側の通りの構造的な問題というか、人通りが少ない動線になっていないという問題が一つあります。もう一つは地下街に接続している沿道のビルが非常に少ない」

南北の通りは人通りも多く、比較的お店に客が入っています。西通りは普段使いの商業施設が地上に乏しい上に距離が長いことが上げられます。逆に東通りは距離が短く、八丁堀などまで伸びておらず八丁堀・本通りとの回遊性が生まれません。さらに・・・

中国地域創造研究センター吉田実主席研究員
「もう一つは地下街全体が道路法上の道路に該当しますので、道路法の規制を受けていてなかなか自由に活用しづらい」

道路としての規制があり、オープンカフェなどを通路に設置するのも困難でした。広島地下街開発によると、規制緩和もあり、今では通路にベンチなどが置けるようになったといいます。シャレオを通行する人は、どんな風に感じているのでしょうか。

利用者
「シャレオは通る。通ります、ガチャガチャだけ見ます」
「若い子が興味を持つような店舗がいっぱいあるかって言われたら、そういうわけでもないかなと思って」
「子供が安全に通れるので。いいですね。何かキッズスペース増えたら嬉しいです。飲食が増えてほしいかな、もう少し。」

シャレオでは空き店舗にイベントができるフリースペースを作るなど、新たな取組を始めていますが、抜本的な打開策はまだ見出せていません。中国地域創造研究センターの吉田さんは今後の出店を見据えた店舗貸し出しも必要ではないかと提案します。

中国地域創造研究センター吉田実主席研究員
「一つは空き店舗を逆に活用してですね、色々な人が気軽に出店できるというか、少しこうお試しや挑戦で出店できるような店舗というか区画を作って、空き区画をそうした短期の貸し出しというか利用の方法によって埋める方法もある」

広島市は今年度中にエールエールヒロシマを運営する第3セクター「広島駅前開発」と「広島地下街開発」を統合。新会社を設立し、民間に店舗探しを委託するなどして、テナント改革を進めたい考えです。

広島地下街開発 長光信治社長
「やはりシャレオは紙屋町・八丁堀地区の交通結節点にあるということで、あの、非常にですね、そういった意味では大きな役割を担っているというふうに考えております。やはりこれからは、時代のニーズや変化、それから各通りの人流特性、そういったものを踏まえながら、より多くの世代の皆様にシャレオに来ていただける、楽しんでいただけるような施設にしていきたいというふうに考えております」