戦後復興期の広島で、ファッションモデルの先駆けとして活躍した女性がいました。彼女の挑戦を紹介する写真展が、東京のギャラリーで開かれています。

帽子のふちに指をかけ上目遣いに微笑む女性。
睦 徳子(むつ とくこ)さんは、1950年代に広島で活躍したプロのモデルです。
原爆投下からわずか10年ほど。広島の人々は、ようやく心の復興へと歩み出そうとしていた時代でした。

女性たちの服装は、実用性重視からおしゃれを意識したものに。ファッションショーでポーズを決める睦さんを、女性たちが食い入るように見つめています。

当時、ショーのモデルは、東京や大阪などから招いていました。睦さんは、地元のモデルが活躍できる場を開拓しようと、27歳の時に広島で初めてのモデル事務所を設立します。写真展では、後輩たちを指導する睦さんの姿も紹介されています。

47歳の若さで亡くなった睦さん。
写真展の開催は、睦さんの長女の三輪英子さんが、数年前に実家で大量の写真を見つけたことがきっかけです。初めて見るそれらの写真に、母親の情熱を感じ取った三輪さんは、「もう一つの戦後広島の歴史」を知ってもらいたいと、記録を調べ写真集にまとめました。

写真展は去年広島で開催、東京では初めてとなります。三輪さんは、「厳しい時代に、新しい道を切り拓いていった当時のエネルギーを感じ取ってほしい」と話しています。

写真展「徳子、モデル道をゆく。」は、東京・神田神保町のブックハウスカフェ1F ギャラリーこまどりで4月14日(火)まで開かれています。

ファッションモデルとして活躍した睦 徳子さん(1934年~1981年)

衣装にあわせてさまざまな表情を見せる

広島市公会堂で開催されたファッションショー(1956年)

比治山公園での秋の撮影会でカメラマンに囲まれる睦さん(1954年)

ミスワールド・ミスパシフィック広島県代表選出大会で出場者を指導

写真展は約50点を展示している

写真展を企画した三輪英子さん(睦さんの長女)