「一味神水(いちみしんすい)」という日本酒のことしの新酒が完成し、5日、広島市内の神社で販売されました。実は、このお酒、神社の神主とコメ農家、酒蔵の杜氏の3人が新しいことに挑戦しようと取り組んで、誕生しました。

杜氏 濵村洋平さん
「一味神水に関しては、やっぱり春陽、おコメらしさがすごく出ているので、他にはない商品に仕上がっていると思います」

広島市中区の空鞘稲生神社です。5日、境内であった野菜市で販売されたのが「一味神水」です。

「一味神水」とは、団結を誓う儀式が由来の言葉です。販売ブースには酒を造った杜氏の濵村洋平さんが立ちました。試飲も行われ、日本酒好きたちが早速、味わっていました。

女性客
「美味しい(ありがとうございます)何かすごく飲みやすくって」

杜氏 濵村洋平さん
「対外的にお客さんに飲んで頂くのは初めてだったので、いい表情を頂いて、嬉しく思っています」

この酒造り、杜氏の濵村さんとコメ農家の安田剛さん、神社の神主・内田久紀さんが野菜市で出会い、何か新しいことに挑戦しようと話し合ったことからスタートしました。

空鞘稲生神社 内田久紀 禰宜
「昔からやってることじゃないですか。コメ作りも、酒造りも、神事も。守りながら攻めないと、衰退かなとボク自身思ってるので。新しいことへの挑戦というのを一緒に出来る仲間がバッと集まったなあというのが」

去年の田植えの様子です。まず、神主の内田さんが神事を行ない、安田さんが苗を植えて行きます。

この苗が新たな挑戦です。濵村さんの要望で県内では珍しい「春陽」という酒米の栽培に取り組みました。タンパク質が少なく雑味が少ない酒ができると評判のコメだからです。

しかし、1年目のおととしは夏の猛暑の影響で収量は目標の半分に。去年も猛暑に苦しんだものの何とか目標通りの収量を上げることが出来ました。

こうしたことから酒造り1年目は、春陽だけではコメが足りないため、ほかのコメを加え、2年目にして初めて春陽100%の酒を仕込みました。その酒を初めて安田さんが味わいました。

コメ農家 安田剛さん
「ウン、美味しいっすね。若干の果実感、鼻に抜けて、これはバズりますよ。本当に春陽は難易度高いなと2年間作って思ったんですよね。ここまで仕上げて頂いたというのは、やっぱりこの3者が共存している証かなと」

販売価格は720ミリリットルが2700円。このほか生酒も販売します。5日の販売では客の反応もよく、3人は手応えを感じていました。

男性客
「おいしい(ありがとうございます)」

春陽での酒造りはこれで終了。次からは、新たな酒米で酒造りに取り組む予定です。

内田さんは挑戦をする中で、伝統文化の良さを再発見していました。

空鞘稲生神社 内田久紀 禰宜
「カッコいいなと思います。何百年とか何千年になるんかなぐらい同じことが今でもされて来てるってことがどれだけ深みがあるのかっていうのは、掘れば掘るほど感じるのでカッコよさを感じています」