広島県三次市で地域の防犯や交通安全に貢献したボランティアたちに、警察から感謝状が贈られました。その中には異彩を放つ派手な衣装に身を包んだ一人のマジシャンがいました。

「グリーン畠山」ことマジシャンの畠山睦男さん(79)。マジックを通じて交通安全や防犯などを呼びかけてきました。

マジシャンとして50年以上のキャリアを誇る畠山さんですが、彼がボランティア活動に力を注ぐ背景には、今は“亡き妻との約束”がありました。

命を救われたマジシャン 亡き妻との“約束”

畠山さんは、かつては海外公演もこなし、現在は弟子を育てる師匠でもあります。ボランティア活動に力を注ぐ背景には、今は亡き妻からの言葉がありました。

約8年前、アメリカ公演を目前に控えていたとき、畠山さんに「大腸がん」が発覚します。そのときの公演は翌年に振り返られましたが、その後、無事に完治して復帰を果たしました。

その際、妻からはこんな言葉をかけられたといいます。

――こうして元気に帰ってこれたのだから、何か「地域貢献」できることがあるんじゃないかな

この一言が、畠山さんのマジシャン人生の新たな幕を開けました。

マジックを生かして安全呼びかけ

畠山さんはまず、自作の「がん早期発見」の幟を掲げて病院や施設を回る活動から始めました。

さらに、元々防犯や事故に関わる仕事をしていた妻の影響もあり、マジックに防犯や交通安全のメッセージを込めるようになりました。

学校や高齢者の運転講習などに出向いては、信号機に色がつくマジックや交通安全ポスターを用いたマジックを披露し、子どもから高齢者まで多くの人に安全を呼びかけてきました。

亡くなる直前に妻は「これからも続けて」

しかし、活動のきっかけをくれた最愛の妻も、約5年前に病に倒れます。

亡くなる前、妻は畠山さんに願いを伝えました。

―がんから復活できたんだから、これからも地域のために活動を続けていってほしい

妻を亡くしたあとも、畠山さんはその思いを受け継ぎ、今も精力的にボランティア活動を続けています。

感謝状を受け取った畠山さんは、「感謝状を励みに今年も頑張っていきたい」と、亡き妻との約束を胸に、決意を新たにしました。