東日本大震災から15年。当時、犠牲者の中には多くの外国人がいました。災害が起きたとき、日本語を母国語としない人に「正しい情報」をいかに早く伝えられるかが課題となっています。広島県三原市での取り組みを取材しました。
三原市では2014年以降、外国人の数が2倍以上に増えています。市の職員は業務を通して外国人と接する機会が増えてきたため、市内に住む外国人との情報交換の場が設けられました。
ナタリーさん
「シンガポールでも、『鬼滅の刃』とか『ハイキュー!!』はすごく人気があります。私も大好きです」
三原国際外語学院に通うナタリーさんは、2025年4月にシンガポールから来日しました。外国人にとって、役場などでの日本語表記は難しいことが多いようです。
ナタリーさん
「特に最初に三原に住み始めるときは(申請書など)フォームが多いし、記入しなければならないことが多いので…」

普段以上に日本語が難しく感じる「地震」のとき…学校から送られた「やさしい日本語」とは
そして、普段の生活以上に、日本語が難しいと感じるのが緊急時だといいます。
ナタリーさん
「緊張しているときはすぐに読みにくくて何が起こっているかわからない」
2026年1月、島根県東部を震源とする地震が起こったとき、ナタリーさんは、学校から配信されたメールを受け取ったそうです。
ナタリーさん
「だいたい漢字にはふりがなが付けられていて簡単な言葉で説明された」
外国人にも、正確な情報を迅速に伝えるため、近年ではこういったシンプルな言葉を使った「やさしい日本語」が広まってきています。始まったきっかけは、1995年の阪神淡路大震災でした。当時、言葉の壁もあり、100人当たりの外国人の犠牲者の数は、日本人よりも8割多かったそうです。
「ポイ捨て禁止」を外国人に伝えるには?
ひろしま国際センターの犬飼康弘さんは、これまで災害が起こるたびに、「やさしい日本語」の必要性を強く感じ、県内外で講演をしてきました。この日は、三原や近隣の市の職員を対象にグループワーク形式で研修を行いました。
犬飼さんが例題の一つとして出したのは「ポイ捨て禁止」。この言葉を職員同士で話し合って、「やさしい日本語」に変換します。
三原市職員
「ポイ捨て禁止…たばこダメダメ…道にゴミ捨てちゃダメ?たばこだけじゃないよね」
普段、何気なく使っている言葉でも、改めて意味を考えてみると難しいようです。「やさしい日本語」は正解がひとつではありません。
犬飼康弘 さん
「同じポイ捨て禁止であっても、どんな場面でどういったところに置かれているのかで伝え方が変わってくるかと思います。道路に立て看板があって、そこに書いてあるときは『ここにゴミを捨てないでください』。公園みたいなところでゴミ箱が設置してあって、そこにポイ捨て禁止と書いてある場合であれば、『ゴミはゴミを入れる箱に入れてください』。こんな伝え方になるかなと思います」

「やさしい日本語」では小学3年生で学習する程度の漢字や表現を使い、一つの文の情報量を少なくします。また、「頭がずぎずぎする」のようなオノマトペは使わず、「不可能ではない」のような二重否定の表現は避けます。留学生のナタリーさんは、「やさしい日本語」の取り組みを今回初めて知ったと話します。
ナタリーさん
「このような話し方があるなんて思わなかったからいろいろ勉強になりました」
三原市職員
「自分が普段見聞きしている情報がある人にとっては難しい言葉なんじゃないかということは今回でよくわかりました」
府中市職員
「保育所でも外国籍の保護者が増えていて、コミュケーションの難しさが課題になっている。自分たちがやさしい日本語のつもりでも伝わっていなかったことが何度もあったので、きょう聞いたことを生かして行けたらと思う」
災害時に外国人が使える手段は
「やさしい日本語」の他に、災害時に外国人が使えるツールがあります。
▼119番通報
国籍を問わず外国人も利用できる。英語・中国語・韓国語は通訳センターに転送して同時通訳してもらえる。
▼ウェブ版災害用伝言板「web171」
英語・韓国語・中国語で利用できる。
▼観光庁監修の無料アプリ「Safety tips」
15の言語に対応し、国内の災害情報などが表示される。災害時に予想される質問が5つの言語で見られる。












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