生産量で広島県が日本一を誇る「冬の味覚・カキ」。2025年秋に大量死が明らかになり、養殖業者の苦境が続いています。一方で年明け以降、カキの生育が改善したという声も聞かれます。県内外での応援の動きとカキの現状を取材しました。

東京銀座にある広島県のアンテナショップ「TAU」には、24日、広島のカキ業界を応援しようと、お笑いコンビアンガールズが登場しました。
山根さん
「二枚貝のようにくっついております」
田中さん
「あっ、うまいね~、カキにかけて?」
山根さん
「カキにかけました」
田中さん
「こんなにできるようになったかね、山根が。26年目だからできる技が炸裂しちゃって」
広島出身の2人、いきなりカキの話が止まらなくなります。好きな食べ方は?
山根さん
「一番は焼きガキじゃないですか。殻がついたまんま、カキの汁を吸いながら」
田中さん
「僕はつるんとしてる、ふわふわっとしてるのが好きだから、蒸し!これかカキフライ!」
週末限定のオイスターバーとして広島県産の新鮮な生ガキを販売する「かき祭りinTAU」。24日はそれを記念して開いたもので、店内の飲食店ではカキメニューも提供します。
まずは山根さんがそのカキメニューを試食しました。
山根さん
「うまいでがんす~」
田中さん
「これは広島でやってる番組の決めゼリフなんで、気にしないでください」
もちろん田中さんも。
田中さん
「うーん、うまいでがんす~」
2025年カキの大量死で生産量が大きく落ち込んだ広島県。最後に書道7段の腕前だという山根さんが、カキ業界を応援する思いを込めて熊野筆を使って書に挑戦しました。見事、漢字の「牡蠣」ができあがりました。
山根さん
「(見学したカキ業者でも)カキも入っていないカキが多かったんですけど、残っているカキの育ち方がエグいぐらいぷっくり美味しそうに育ってたんで、みんなでカキを楽しんでもらいたいと思います」
田中さん「とにかく我々が応援できることはまず食べる。それがまた来年のカキの種付けにつながっていったりするので、残っているカキは本当に美味しいカキなので、それを食べてつなげていくことが大事かなと思ってます」
多い所で9割が死ぬ壊滅的な今シーズンの被害
カキの大量死が明らかになったのは2025年秋でした。
呉市のカキ養殖業者
「(死んだカキが)もう8割から9割弱だと思います。今、選別しているんですけど、ほとんどが空なんですよ」
広島県内のカキ養殖では例年、3割から5割のカキが死んでいます。しかし今シーズンは多い所で9割が死ぬという壊滅的な被害が各地で確認されました。

農林水産省 鈴木憲和 大臣
「本当にほとんどのものが、へい死しているという状況」
スーパーの鮮魚コーナーではカキが品薄の状態に。デパートのお歳暮商戦やふるさと納税の返礼品にも影響が広がりました。広島県の横田知事は出身官庁の農林水産省を訪れ、緊急の支援を要望しました。
広島県 横田美香 知事
「現場の方々は非常に不安なんですね。国においても財政的な支援やオールジャパンで技術的な面で支えてもらいたい」
一方で、海域によって被害が異なることも分かってきました。大竹市の業者では死んだカキは4割と例年並み。身も大きく育っているといいます。
国民民主党 玉木雄一郎 代表
「品質自体はいいですか?」
大竹市のカキ養殖業者
「これ、におってください。臭みがない。味がまろやか」
玉木代表
「めっちゃうまい!」
年明けから身入りがよくなり旬を迎えている
現在の状況はどうなのでしょうか?広島市の業者に聞きました。
木村海産 木村健太郎 さん
「1月の後半から2月の前半にかけて寒波が2度来たが、そこで水温がぐっと下がって、海水も循環し始めたので、海の環境もカキに適した環境になってきました。カキも元気を取り戻して回復してくれたので、例年とくらべても早い勢いで2月の頭からは成長して実入りもどんどんよくなっていますね」

22日、広島市西区の商業施設で開かれたイベント。木村さんたち草津地区の4軒の養殖業者が集まって、旬を迎えたカキの魅力をアピールしました。
子どもたちは、カキ打ち体験に興味津々です。
参加した子ども
「楽しい」
参加した子どもの母
「(子どもが)カキ好きなので、せっかくなのでやらせてもらおうと思って。パパが探してくれたよね」
毎年カキを楽しみにしているこちらの家族は、今シーズンのカキの少なさに肩を落としたそうです。
参加した人
「買えなくなったのですごく残念に思っていて、実家に送っていたが送れなくなったのですごくさみしかったですね、広島県人としては」
訪れた人たちはこれからのカキのおいしさを期待していました。
カキを買った人
「出始めよりも今の方が味が濃い気がします。お鍋にするか、カキフライにするか、そのままでも焼いて食べようと思います」
木村海産 木村健太郎 さん
「大人から子どもまでたくさんの方に少しずつでもいいので、カキがおいしいんだよというのを認識してもって、どうしても値段が高いこともありますが、加工品もありますから、何かしらの形でカキの商材を食べてもらえたらなと思っています」
年明け以降、カキの生育が改善したという話もありますが、問題が解決したわけではありません。
広島県の有識者会議では大量死の原因として▽高い水温や塩分▽酸素やエサの不足▽産卵期の長期化などが指摘されていますが、まだ特定されていません。春以降、来シーズンのカキ養殖の作業も始まる中、原因究明と対策が急がれます。
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