顧客の住宅から現金を盗み、火を放って殺害しようとしたとして、強盗殺人未遂や現住建造物等放火などの罪に問われている元・野村證券営業職 梶原優星被告(30)の第3回公判が12日、広島地裁で開かれました。この日は被告人質問があり、梶原被告が事件があった当日などの経緯が、被告人質問によって明らかになりました。

起訴状によりますと、梶原被告は、2024年7月28日、顧客の夫婦が住む住宅で妻に睡眠薬を飲ませて現金約1800万円を盗み、証拠を隠滅するために火を放って殺害しようとしたとされています。

また、別の日にもこの住宅から現金約800万円を盗んだとされています。

初公判で梶原被告は現金の窃盗と放火は認めたものの、強盗殺人未遂については無罪を主張しています。

第3回公判 火災の専門家による証言

12日の法廷の証言台

12日の裁判では、検察側の証人として、燃焼工学の専門家が出廷。

被害者の供述や現場の様子などなどから「被害者が気がついたとき、火災は初期から中期に移行していた。この段階で部屋に人がいる場合は火災初期と比べ、極めて生存率が低くなる」と証言しました。

午後からは弁護側の被告人質問が行われ、現金を盗んで火を放つに至った経緯が語られました。

短期間に合計2600万円を窃取 なぜ?

送検される梶原被告(おととし11月)

弁護人
「別の日に約800万円を盗んだとのことだが、なぜまた盗もうと思った?」
梶原被告
「そのお金がすぐに無くなってしまった」
弁護人
「なぜ?」
梶原被告
「バイナリーオプションで損失が出た」
弁護人
「28日に現金を盗む直前、妻の様子は?」
梶原被告
「現金が置かれた部屋のベッドで横になっていた」
弁護人
「そんな中で現金を盗むのはリスクが高いでは?」
梶原被告
「部屋が暗かったのと、ラックなどを移動させて死角を作ったのでリスクは無いと思った」

現金盗んだ被告 なぜ放火まで?

事件があった住宅(視聴者提供)

弁護人
「その後どうした?」
梶原被告
「押し入れから現金が入ったバッグを取り出し、自分のリュックに詰め込んだ」
弁護人
「現金だけ盗む選択肢は無かった?」
梶原被告
「移し替える行程が増えてしまう」
弁護人
「現金を盗んでも放火する必要は無かったのでは?」
梶原被告
「盗むだけだと後で見つかってしまう。燃えて無くなると、現金がこの世に存在しないものになる。なので押し入れに火を着けた」
弁護人
「その後、どうなるか想像していなかった?」
梶原被告
「押し入れの中だけが燃えると思っていた。あんなに燃えるのは想定していなかった」
弁護人
「検察側は強盗殺人未遂で起訴していますが、殺意はあった?」
梶原被告
「殺意は無い。死ぬとも思っていない」

次回の裁判は16日(月)、検察側や裁判所からの被告人質問や、梶原被告の両親による証人尋問が行われる予定です。

12日の法廷

12日の弁護側

12日の検察側