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2025年10月に閉幕した大阪・関西万博。日本中を沸かせた熱狂の余韻は、意外な形で広島の住宅街へと引き継がれようとしています。

「ミャクミャク」人気は広島でも 加速する“万博ロス”

閉幕後、全国各地で盛り上がりを見せる「アフター万博」。広島市内でも先日、公式キャラクター・ミャクミャクのポップアップストアが登場し、記念撮影券を求めて徹夜組が出るほどの賑わいを見せました。

そんな「万博ロス」が広がる中、いま注目を集めているのが、会場で使用された備品を次世代へつなぐ「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」の取り組みです。

オフィスの備品が「町内会」へ

万博のオフィスやパビリオンで半年間使われたデスクや通信機器、事務用品。これらをオークション形式で譲渡するプロジェクトが行われ、12月に落札者が決定しました。

このオークションに参加し、見事「テーブル」を落札したのが、広島市のある町内会です。

予算不足に悩む「地域の憩いの場」の苦肉の策

広島市の多くの集会所は、市から管理・運営を任された住民たちがボランティアに近い形で維持しています。

収益事業は禁止:維持費を賄うための最小限の利用料しか徴収できません。設備の見直しが困難:予算が限られており、古くなった備品の新調が後回しになりがち。

今回落札されたテーブルは、送料は別ですが市価の約1/4という破格の値段。「運営予算がほとんどなく、備品を新しくしたくても困っていたので本当に助かりました」と、集会所運営委員は安堵の表情を浮かべます。

「新しい物があれば、人は集まってくる」

「憩いの場として活用してほしいけれど、備品が古ければどうしても敬遠されてしまう。新しくなることで、また人が集まってくるきっかけになれば」

そんな役員たちの願いを乗せた万博のテーブルは、契約手続きを経て、2月頃には広島の町に届く予定です。

世界中から人が集まった万博の熱気は、今度は広島の小さな集会所で、住民たちの笑顔を支える「日常」へと姿を変えていきます。

国家規模のイベントが終わった後、その資産が地域の隅々まで行き渡る。これこそが、万博が掲げた「未来社会の実験場」の真の成果なのかもしれません。