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昭和9年(1934年)に建てられた「オデオン座」は、愛媛の内子座、香川の金丸座と並ぶ、四国に現存するわずか3つの芝居小屋のひとつ。戦前から現在に至るまで、大切に使い続けられてきたその姿を、今回はレポートします。

昭和初期、多くの観客で賑わい、まちの文化拠点として親しまれていた「オデオン座」。木の温もりに包まれた劇場には、人々の笑い声や拍手が響きわたっていました。
しかし時代が進むにつれて、シネコンや新しい娯楽が増え、だんだんとお客さんは減少…。 ついには平成7年(1995年)に閉鎖の危機を迎えてしまいます。

そんな危機的状況の中、地元住民と有志による保存運動がスタート。その後、山田洋次監督作品『虹をつかむ男』のロケ地に選ばれたことをきっかけに文化的価値が見直され、修復が実現しました。
現在では、地元の芸能発表や修学旅行など、さまざまな場面で活用されています。

入り口をくぐると、丁寧に磨かれた木目の床が広がり、
上を見上げれば、昔ながらの梁(はり)や桟敷席が目に飛び込んできます。
「これ、戦前から残ってるってすごくない…?」と、思わず胸がじんとする瞬間。
歴史の重みと、あたたかな空気感が共存していて、とにかく落ち着く空間です。

「特等席」と言えば、やはり1階の花道近くの「うずら桟敷」。
ここは、役者の足音や息遣いまで伝わる臨場感が魅力。観客と役者の距離がとても近く、今ではなかなか味わえない“体感型の演劇”が楽しめます。

一方、2階の「大向(おおむこう)」は、リーズナブルな料金で観劇できた庶民のための席。お手頃な価格で舞台全体が見渡せる、コスパ重視派にはうれしい座席です!
ちなみに当時のチケット価格は、資料によって異なりますが、庶民席で数十銭〜1円前後(現在の価値に換算すると約1,000〜3,000円)特等席はその3倍以上だったとも言われています。


オデオン座の魅力は観劇だけではありません。なんと、普段は見られない舞台裏まで見学できちゃうんです。
地下にある「奈落(ならく)」は、役者が花道へ素早く移動するための秘密の通路。石垣に囲まれていて、まるで戦国時代の城の地下通路みたいな雰囲気…


さらに、舞台裏にある楽屋も公開されていて、役者たちが長期公演の期間中にここで生活していた様子がうかがえます。ふすまには、著名俳優の直筆サインがずらり。劇場の歩んできた歴史を肌で感じることができるでしょう。

オデオン座のすぐ目の前に広がるのが、江戸時代から続くうだつの街並み。

白壁と格子戸が連なる風景の一角にあるのが、人気のお店「あがるどーなつ/うだつぱん」。


ここでは、徳島県産の和三盆糖を使ったドーナツセット(6種)が楽しめます。しっとりとした食感と優しい甘さで、まるでケーキのよう!ついつい次に手が伸びます。

そして忘れちゃいけないのが、蓮根入りのカレーパン!シャキシャキ食感の徳島名産・蓮根と、徳島のブランド豚「阿波金時豚」の大きめカットの肉がゴロッと入っていて、満足度高め◎。街歩きのお供にもぴったりです。
劇場の歴史に触れながら、グルメと街並みまで楽しめる脇町エリア。
古き良き時代の空気を感じながら、ゆったり過ごす一日はいかがですか?
昔ながらの趣を残す「オデオン座」に、ぜひ足を運んでみてください。
瀬戸内Finderフォトライター 瀬戸内Finder 編集部
▼記事提供元
「瀬戸内Finder(ファインダー)」は、瀬戸内を共有する7県(兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県)の魅力を世界に発信しています。
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