10日、広島県内の公立高校で合格発表がおこなわれました。喜び、悲しみ…どちらも、高校生活3年間のうちにきっと良い思い出に変えることができるはずです。
高校進学をめぐっては衆議院で先週、「高校授業料の無償化」を含む新年度度予算案が可決されました。
4月から公立、私立問わず高校生がいるすべての世帯に、11万8千円が支給されることになるというもので、公立高校は実質無償化となります。
そして、来年4月からは、私立高校に通う世帯にも最大45万7000円が支給されることになり、私立高校についても実質無償化されます。
“高校無償化”は広島ではどのように受け止められているのでしょうか?
教育費の負担が減れば塾に通う人も増えるかもしれません。県内を中心に学習塾を展開しているAICエデュケーションの山﨑寿成本部長は、「これまで経済的に進学をあきらめていた家庭も進学先の選択肢が増える」と期待を寄せています。
さらに、生徒への影響については「授業料の差がなくなれば私立高は推薦が充実し、受験も早いことなどから私立高校への進学は増える」とみています。そのため、「公立高校も特色を出すことがより一層必要になりそう」だということです。
さらに広島県では特に、「中学入試の受験熱が上がるかもしれない」そうです。高校授業料が変わらないとなれば、私立の中高一貫校に…と考える家庭も増えるかもという意見です。
広島県は同規模の都市と比べても、中学受験が多い傾向にあるそうですが、特に中高一貫の私立中学校は人気があるそうです。高校授業料の無償化は意外にも中学受験、つまり小学生に影響があるのかもしれません。
一方の公立高校ですが、県教委は、「先行して授業料の無償化を進めている東京や大阪は、私立高校の志願者数が増加していることは承知している。県教育委員会として県立高校の魅力化・特色化をこれまで以上に図るなど、引き続き教育環境の整備充実に取り組んでいきたい」としています。
東京・大阪でのいわゆる“公立離れ”が無償化で全国に広がる可能性もあります。
山﨑本部長はこれまで以上に「高校の評判が重要になってくる」と指摘します。合格実績や校風、施設環境のほか「通学しやすさ」なども志望動機になるのかもしれません。これまで経済的な理由から「滑り止め」と考えられた私立高校が一気に最志望校に、ということもあり得そうです。
ただ、高所得世帯も一律に無償化されることで、所得に余裕がある家庭は浮いた教育費を塾などに使い、教育格差がさらに拡大しないか。私立高校が授業料を便乗して値上げしないかなど、高校無償化をめぐって心配する声もあるようですので、注視していく必要がありそうです。
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