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みみコミ💬PARALLEL MODE:オディロン・ルドン ‐ 光の夢、影の輝き

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田口麻衣noみみコミ | RCCラジオ | 2025/01/26/日 16:00-16:15
内容:「PARALLEL MODE:オディロン・ルドン - 光の夢、影の輝き」
出演者:ひろしま美術館 学芸員 農澤美穂子さん

ひろしま美術館で開催中の特別展「パラレルモード:オディロン・ルドン 光の夢、影の輝き」について学芸員の農澤美穂子さんに伺います。

私行ってきましたよ、ルドン展。
図録を見ると特に前半で、不気味な印象が強かったんですけど、実際に見に行ってみるとなんか質感の違いなのか思ったよりも良くて引き込まれました。

そうですね、チラシとかもなかなかきれいに印刷出ないとやっぱり本当の版画の絶妙な濃淡とかでみるほうが意外にそれはそれで世界になっているせいで納得させられてしまうような、そんなに奇妙ではなく楽しく見れる、現物のほうがそういう印象があるかなと思います。

もちろん後半のお花もすてきなんですけど、その前の不気味だとおもっていたところに引き込まれて行ってジーっと見つめていろんなところ、その世界観に入っちゃったし、あとあの17歳のころに書いた漁船が描かれた絵が、すごい上手と思って。
最盛期の水彩画で、地元の水彩画家に習っていたころの作品だと言われていて、
ルドンはキャラクターを描いたり、色彩の時代になっても色に注力したせいで
あまりリアルに描いてないように思われるんですけども、実はしっかり
見ていわゆるデッサンをやらなきゃいけないと思っていたタイプの画家で、
実はちゃんと描けるから、目玉を書いてもちゃんとした世界観ができる。
そこを気にしていた画家だったので見てそこを感じていただけた、
ルドンがやりたかったことがちゃんと伝わったなと。

まずは「オディロン・ルドン」について、簡単にご紹介ください。
ルドンは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、フランスを中心に活躍した画家。 
印象派の画家たちとほぼ同じ世代に生まれながらも、画業の前半は、不気味な怪物たちがうごめく光景や、
神秘的で幻想的な世界をモノクロに描きました。
後半生は、女性像や神話の一場面、花瓶など、色彩豊かに描きあげました。

▲《眼をとじて》1900年以降、油彩/カンヴァス、岐阜県美術館

後半のお花もほんとにきれいで、こぼれんばかりのお花があふれてて、題材や道具、色見も時とともに変わりながらもさらにいろいろ試された方なんですね。
そうですね結構、画材でもその時出ていた新しいものを使っていたらしくて初期のころは版画や木炭を使っていたんですけれども、後半になってくると色彩でパステル油絵、パステルも当時出ていた新しい色なんかも使って、そのまま使っただけでなく擦ったり、画材に対してものすごくしっかり考えてやっていたみたいです。

今回の特別展の特徴は?どんな作品が展示されていますか?
前半: (『エドガー・ポーに』 Ⅰ. 眼は奇妙な気球のように無限に向かう)

▲《「エドガー・ポーに」I.眼は奇妙な気球のように無限に向かう》1882年、リトグラフ/紙、岐阜県美術館

前半は「黒の時代」と言われまして、木炭画や版画を中心に作成しました。
たとえば石版画集『エドガー・ポーに』(1882年)は、
アメリカの文学者エドガー・ポーの著作に即した挿絵ではないのですが、その文学に影響を受けた奇妙な世界が
描かれていて、そのなかのひとつには、一つ眼玉が当時発明された気球のように宙に浮いている作品が
あります。
この版画集の他にも、花や蕾のかわりに人の顔がついた人面植物や、ニヤリと笑う蜘蛛など、グロテスクだけど
憎めない生物が描かれました。
後半:(油彩画「オルフェウスの死」)
後半生になると、画材はパステルや油彩画が中心になり、色彩を豊な幻想的で綺麗な世界となっていきます。
代表的なシリーズに、本展にも出品される「眼をとじて」がありますが、このシリーズの、眼とじた人物というのが、
ルドンの後半生の絵に、しばしば表れます。
たとえば、ギリシャ・ローマ神話の詩人に切断された首が描かれているというよく考えるとグロテスクな題材を
描いた「オルフェウスの死」作品ですが、ルドンの作品では幻想的さが勝った夢の世界となっています。

農澤さんのお気に入りの作品を挙げるとすれば?
《光の横顔》や《窓辺の女》など横顔の女性像を描いた木炭画と、
ポスターにも使用した《黒い花瓶のアネモネ》というパステルの作品です。

▲《黒い花瓶のアネモネ》1905年頃、パステル/紙、岐阜県美術館

木炭画の方は、モノクロームで表現される繊細な光の表現が素晴らしく、パステルの方は紫色、ピンク色、
山吹色など、その他にも色々な色彩が混ざり合った独特の色彩表現が美しい作品です。
いずれも印刷に出にくく、ぜひ本物を見て欲しいと思います。

「日本風の花瓶」という作品がありましたが、ルドンは日本から影響(ジャポニズム)を受けている?
時代的にジャポニズムが流行したのと、ルドンを慕った若い画家たちが
日本に関心を持っていました。
そうしたなかで、日本趣味に関心を抱いたのではと思われます。

入口のグッズ売り場に、漫画家の水木しげるの作品「ゲゲゲの鬼太郎」の目玉おやじグッズがありましたがルドンの目玉の作品に影響を受けて目玉おやじを生んだんですか?
水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくる目玉おやじは、ルドンの目玉から影響を受けたそうです。
ちなみに、水木しげるさん以前、大正期にはすでにルドンの情報が日本に入ってきた日本の芸術家たちがルドンの表現に魅了されていました。
洋画家だけでなく、日本画家もおり、文学者、音楽家、そして漫画家まで多岐にわたるようです。

そして、館内にある「カフェ・ジャルダン」も、ルドンの故郷でワイン産地としても有名なボルドーにちなんだ美味しそうな特別メニューがあるんですよね。
体の弱かったルドンは、小さいころをボルドー市から30キロ離れた
ワインの産地として知られる地域にある、
葡萄園と未耕作地からペイルルバートという荘園で過ごしました。 
そこで一人、空想にふける幼少期…
そのルドンの故郷にちなんだメニューをご用意しました。ぜひご賞味ください。

最後にラジオをお聞きの皆さんにメッセージをお願いします。
今回は、初期から晩年を通覧するルドンの特徴的な作品が一堂会する、日本で久しぶりの展覧会です。
また、ルドンは、実は印象派のモネと同い年の画家です。
にもかかわらず、まったく違く方向へ進み、自身の画風を確立しました。
ルドン展とともに、コレクション展示もご覧いただければ幸いです。

この特別展のチケットをペア5組にプレゼントします。
詳しくはRCCの公式プラットフォーム「RCC CLUB」でご確認ください。 
応募締め切りは2月2日(日)です。

https://club.rcc.jp/

PARALLEL MODE:オディロン・ルドン - 光の夢、影の輝き

日時 1月11日(土)~3月23日(日)9:00~17:00 ※最終入場16:30まで
場所 ひろしま美術館 広島市中区基町3-2
入館料 [当日]一般:2,000円 高大生:1,000円 小中生:500円
       ※障がい者手帳をご提示の方はご本人と同伴者1名無料
チケット    ひろしま美術館、市内プレイガイド他
お問い合わせ  ひろしま美術館 電話:082‐223-2530

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