広島県警は9日、すでに強盗殺人未遂と放火の罪で起訴されている野村證券の元社員の男を、窃盗と住居侵入の疑いで追送検しました。

窃盗と住居侵入の疑いで追送検されたのは、神奈川県葉山町の無職、梶原優星被告（29）です。梶原被告は事件当時、大手証券会社、野村證券の営業職として働いていました。

警察によりますと、梶原被告は、7月下旬、広島市西区の80代夫妻の住宅に複数回侵入し、妻（84）が管理している約800万円を盗んだ疑いがもたれています。

警察は追送検した窃盗と住居侵入の容疑について、認否を明らかにしていませんが、梶原被告の弁護士によりますと、容疑を認めているということです。

警察によりますと、梶原被告は、盗んだお金を「バイナリーオプション」と呼ばれる投資などに個人的に充てていたとみられています。

梶原被告は先月20日付けで、強盗殺人未遂と現住建造物等放火の罪で広島地検にすでに起訴されていました。起訴状などによりますと、梶原被告は7月28日、同じ夫妻の住宅で妻に睡眠薬を飲ませて昏睡状態にしたうえで、2階の寝室の押し入れにあった現金およそ1787万円を奪い、さらに、証拠を隠滅するため寝室の押し入れなどに火を放ち、殺害しようとしたとされています。

当時住宅には夫もいましたが、2人とも火事に気がつき無事でした。

夫妻の自宅からは現金約2600万円がなくなっていたため、警察は、起訴内容の約1787万円以外の現金について、梶原被告がこの日以前に夫妻の自宅を訪れた際に盗んだものとみて捜査を進めていました。