「ポプラの若木」をイメージしたロゴでおなじみ、コンビニチェーンのポプラです。50年前のきょう、広島市で誕生しました。ポプラの創業以来の歩み、そして販売競争を生き抜く戦略を取材しました。
地元のコンビニチェーンポプラでは今、創業50周年を記念して「ポプ弁」のおかず50%増量、ごはん大盛り無料のキャンペーンを行っています。
客「嬉しい。食いしん坊なので。ごはんの量を自分で決められるのが他のコンビニにないところ」
生活彩家・広島市役所店 折附悠司 店長
「増量前とくらべると、2倍以上の売り上げになっている。せっかくの周年の記念なのでがんばってます」
50年前の1974年、前の年のオイルショックによる混乱で経済成長率が落ち込み、戦後初めてのマイナス成長を記録。そんな中、ポプラは12月2日の午後4時、広島市中区の流川地区で「ナイトショップ・ポプラ」という名前で第1号店をオープンしました。業界トップのセブンイレブン日本1号店オープンの7か月後のことです。
記者レポート
「ポプラ薬研堀店ですね、入ってみましょう…惣菜が」
客「夜中まで空いていて、安く手に入るしさ、いろんなもんが揃うでしょ」
「(いつも利用する?)たまにね。やっぱり便利でしょここは(ホステスさんの仲間も利用する?)ほとんどそうじゃないですか」
1978年3月 ポプラ 目黒俊治さん (当時 社長)
「(子供用パンツ…ずいぶん変わったものが…)女性用のパンツなんですよ。便利さだろうと思うんですけども、帰りにちょっと、というお客さんがですね、ほとんど9割型、固定のお客さんですね」
ポプラ 目黒俊治 会長
「こっちが入り口、2階は控え室。(これは当時のロゴ?)デザインしてもらった。結構、お金だして作ったんです」
ポプラの創業者である目黒俊治会長に話を聞きました。
小林康秀 アナウンサー
「50周年、おめでとうございます」
ポプラ 目黒俊治 会長
「ありがとうございます。(どんな気持ち?)長かったような短かったような。(もともとは何のお店?)親が経営するおつまみのお店、お酒のおつまみを業務用で飲み屋さんにもっていく…」
目黒さんは、店を継いだ後、すでにあったアメリカの24時間スーパーにヒントを得てポプラを立ち上げました。
ポプラ 目黒俊治 会長
「流川は夜の町ですから八丁堀いづみが閉めてから、ポプラが開いて。いづみが開くときには、ポプラを閉めていた。いづみの商品台帳を見てAランク(一番売れる)商品を選んで、店に並べた」
当時の営業時間は、スーパーマーケットが営業していない午後4時から午前3時まででした。目黒会長に、当時の映像を見てもらいました。
ポプラ 目黒俊治 会長
「懐かしい。レジの下が弁当売り場でした。レジの中で、ご飯炊いてました。後ろで閉めて渡して(便利がいいわけですね?)お客様第一が社是ですから」
店でご飯を炊いて盛り付ける「ポプ弁」の誕生は1983年。「おなかいっぱい、おいしいご飯を食べてもらいたい」という目黒さんの思いから、「HOT弁当」としてはじまり、40年以上続いています。
1982年7月 ポプラ 目黒俊治さん (当時 社長)
「お客のいるものはなんでも揃えるというのが私の方の考え方、いると言われれば、なんでも揃えます」
その後のポプラは、消費者の求める便利さを追いかけるように1992年からM&Aによって次々と店舗を増加。中国地方を中心に、九州・四国・関東・関西へも展開し、一時は900近くまで店舗数を増やしました。
しかし、他社との競争激化などで業績が低迷。2014年末に業界大手のローソンと資本業務提携を締結し、原材料や商品を共同で調達するとともに、「ローソン」や共同店舗「ローソン・ポプラ」へのブランド転換をしています。
さらに、こんな出店形態に。
小林康秀 アナウンサー
「RCC社内にはポプラの店舗があります。防犯カメラがあって無人になっています。私は飲物などでお世話になってます。最近のポプラは、こうしたオフィス・ホテル・病院などの施設内店舗や無人コンビニが多くなっています」
ポプラ 岡田礼信 社長
「大手さんの資本にはなかなか勝てないということがありましたので、他と組んで商品力をあげていくという、当時の決断があった」
そんな危機を救ったのはポプ弁でした。
ポプラ 岡田礼信 社長
「ローソンさんの品揃えに『ポプ弁』をオンするという売り場構成で支持をいただいている。ポプ弁があったおかげで…ということを今になって強く感じる」
そのポプ弁で培ったノウハウの活用がはじまっています。2022年から、老人ホームなどへ配送する冷凍の弁当や惣菜を製造しています。こちらは先月発売した、20品目がとれる健康志向の弁当。ドラッグストア・ウォンツなどを手がけるツルハグループの管理栄養士が監修しました。こちらは広島市立広島商業高校や川中醤油とのコラボ商品『梅しょうゆ弁当』。今年で6年連続のコラボです。
ポプラ 岡田礼信 社長
「お店を通じて情報発信とか、役に立てるのではないか。地元発祥のコンビニとして地元に貢献できる企業になりたい思いもありますので、取り組みを積極的にやらせていただいています」
ポプラは、今後の50年も見据えて、小売りだけでなく製造業も事業の柱にしていきたいとしています。
ポプラ 岡田礼信 社長
「おいしさにこだわった、お弁当に特徴のある企業として成長して行きたい」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
天谷宗一郎 コメンテーター
「本当に歴史を感じる映像でした。私は福井県から広島に出てきたのですが、ポプラでポプ弁を買った時に、どんだけご飯入れてくれるんだって思いました。若手の頃に助けられました」
田村友里 キャスター
「ポプ弁大好きです。お米が最高に美味しいのでよく食べています。コンビニは、競争激化で大変な中で、新しい事業をどんどん展開して、生き残りをかけて戦っているんですね」
青山高治 キャスター
ポプ弁は、がっつりなイメージだけじゃなくて、最近はフードロスとか、様々なニーズに対応するために、小さいサイズも取りえてるということなんです。RCCのポプラもありましたけど、店舗ごとに細かいニーズを聞いていくそうです。店舗で、商品などの要望が出せる。QRコードもついてて、結構早く対応してくださる」
田村友里 キャスター
「何回も要望を出してます。これ入れてほしいと言ったら、本当に吐いてたりするんですよ。で、ダメならダメで、理由もちゃんと教えてくれるんですよ。なるほど、すごい対応してくださいます。
青山高治 キャスター
「その根底にあるのが、目黒会長が言われていた『お客様第一』という言葉で、これが今も生かされています。岡田社長の話では、コラボ商品などの商品開発も企業などの要望を細かく聞いて作っていくということです」
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