まもなく本格的な冬の寒さがやってきますが、そのあとに控えているのが「花粉」の季節…。今や日本人の2人に1人以上が症状を感じているという花粉症ですが、来年春の花粉について衝撃の予想が…。
民間気象会社の花粉飛散は近畿や中国・四国地方は「非常に多い」予想で、しかも、過去10年で最多に匹敵する “大量飛散”のおそれがあるといいます。
果たしてスギ林はどうなっているのか。毎年この時期に行われる国のスギ花粉に関する調査に同行取材しました。
民間気象会社のウェザーニュースによると、来年2025年春の花粉飛散量は、西日本や北陸、関東北部では2024年を大きく上回る予想となっています。
特に西日本では平年と比べて2倍以上となる地域もあり、「過去10年で最多に匹敵する大量飛散のおそれ」と予想しています。
毎年、国はこの時期に花粉を飛ばすスギの雄花花芽がどれくらい付いているかを確認するための調査を行っています。広島県内で行われている現地調査に同行取材しました。
RCCウェザーセンター 下江美帆 気象予報士
「廿日市市吉和に来ています。来年春の花粉の飛散量ですけど、かなり多いという予想が出ていて、私も怯えているんですが、実際にどうなのか、国の調査に同行させていただいて、一緒に確認したいと思います。よろしくお願いします。」
長井稔 調査員
「ちょうど今、ここ吉和地区のスギについて、これは地元の八郎スギですが、花粉がどの程度ついているかを調査しています。スギの雄花の着花を見ています。スギの雄花が枝先につくので、特に上の方に集中的に付いてきます。その部分を4つにランクをつけて、A・B・C・Dという具合に分けて着花量を調査しています。雄花が充実してくると2月ころにばぁっと花粉を散らすことになる」
環境省や林野庁は、毎年11月中旬から12月中旬ごろに全国のスギ林を調査をしています。広島県ではスギが多く分布している西部を中心に30か所のスギ林を調べています。1か所あたり40本のスギをランダムに選び、日当たりのいい枝先の雄花の付き具合を4つのランクに分けて調べていきます。
長井稔 調査員
「ここ吉和はそれほどたくさんついている印象はない。吉和地区に関しては例年通りの着花量。去年よりは多いですけど。」
一方で、花粉の花芽調査を担当して20年になる長井さんも気になることがありました。
長井稔 調査員
「広島県の南部の方で先日調査したけど、南部はずいぶん花芽がついている。20年近く調査しているが、例年に比べて南部の方は一番多い年かと」
標高が500メートル以上ある吉和と比べると標高が低い広島市佐伯区湯来町にやってきました。
長井稔 調査員
「あぁ、ついてるね、やっぱり」
下江美帆 気象予報士
「けっこう黄色いですね」
長井稔 調査員
「見えます?」
下江美帆 気象予報士
「見えてます。全体的に黄色いということですね?」
長井稔 調査員
「そうですね。これ全部の枝にびっしりついてますね」
テレビカメラで撮影した映像ではイマイチわかりにくいのですが、枝の先に雄花が垂れ下がっているのがわかるでしょうか。
下江美帆 気象予報士
「スギの葉っぱの先端がけっこう黄色くなっているのがわかりますね、スゴイ黄色くなっている」
長井稔 調査員
「スギの葉の先端に雄花がつく、それが雄花」
下江美帆 気象予報士
「双眼鏡でみるとスゴイわかりやすいですね」
長井稔 調査員
「来年春になったら叩けばホコリのように花粉が出てきますよ」
下江美帆 気象予報士
「へぇ~、ホコリのように…」
RCCウェザーセンター 下江美帆 気象予報士
「調査歴およそ20年の長井さんをして『広島県の南部は例年に比べても一番多い』と感じたという、この秋のスギ雄花の花芽調査。調査はまだ続いていて、最終的な結果は、12月後半ころに環境省から全国の結果が発表されるので注目です。」
「そして、民間気象会社の花粉予想では来年の春は特に多いのではという予想が出ていますが、具体的にどれくらい多いのかを見ていきます。ウェザーニュースによると、中国・四国地方における過去10年の飛散量と来年春の予想飛散量の比較をみると、過去10年と比べても最も多いおそれがあります。」
中根夕希キャスター
「なんでこんなに多い予想なんですか?」
下江美帆 気象予報士
「花粉の飛散量は、その前の年の夏の天候が大きく関係する。どれくらい暑かったか、日照時間があったかというのが大きく影響する。つまり今年の夏の天気がどうだったかですが、今年の夏は記憶に新しいと思いますが、記録的な猛暑が続きました。本当に暑かったと思うんですけど、気温がかなり高くて日照時間もかなり多かった。」
「さらに今年2024年春の花粉の飛散量はかなり少なかった。花粉の飛散が多い年(表年)と少ない年(裏年)が交互に訪れる傾向があるため、来年春は『表年』にあたる予想。
これらの条件が重なって来年2025年春は花粉の量が非常に多くなると予想されている。」
「特に瀬戸内地域は今年春の花粉の飛散量が非常に少なかったので、『今年春に比べて花粉の飛散量は5倍から8倍を超える地域もある」と予想しています。」
コメンテーター吉宗さん(花粉症歴30年)
「いやもう早めに対策するようにします。もう涙目になって、ちょっと苦しくなってきましたんで、早めに耳鼻科に行って薬をもらったり、注射したりしようと思いました。」
下江美帆 気象予報士
「早めの対策が必要になってくるかなと思いますので、しっかりと対策をしてください。年が明けたら、すぐに花粉の飛散始まりそうです。」
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