広島市にある、広島都市学園大学。その女子バスケットボール部が、創部わずか4年で初のインカレ出場を決めました。創部からチームを支えてきた2人の4年生にとっては最後の大会でついにつかんだ全国切符。その思いに迫りました。

先月28日、大学バスケの最高峰の大会「インカレ」に初出場を決めた、広島都市学園大学の部員たちが祝勝会を開いていました。

慶徳克二 監督
「4年前じゃの、4年前の春休み、集まったよね。7人＋マネージャー希望もいたんだよ。大変、いろんな個性があったから大変だったよね。“なゆ” と “あり” には苦労かけた。語り尽くせないよな。あの苦労は」

2021年の創部当時、7人の1年生部員で中国リーグ2部からスタートしたバスケットボール部。4年生まで残ったのは、関口奈優 主将と、科野有沙 副主将のわずか2人です。先月27日、広島文化学園に初めて勝ち、中国リーグ3位に入って、見事、インカレ初出場を決めました。

関口奈優 主将
「まずはみなさんのお陰で…ヤバい…インカレに行けたと思っています。きょうはしっかり盛り上がりましょう」

コロナ禍もあり、部員全員で食事会を開くのはこの日が初めて。先輩・後輩関係なく、13人の部員たちには笑顔が広がっていました。

チームを引っ張ってきた4年生の2人にとっては最初で最後のインカレ。

関口奈優 主将
「新1年生がきて、想いが一つになったからこそ、インカレ出場が決まったんじゃないかなと思います」

科野有沙 副主将
「努力してきた成果がやっと実ったなと思います」

ついてきた後輩たちは…

3年　山本帆夏
「いやあ、もう最高です。みんなが意見出し合って、話し合ってできたんで、すごくバスケを楽しんでできました」

2年　木内一那
「キャプテンの言うことを、ちゃんと日頃からちゃんと返事して練習したりとか、そういうところはチームワークの強さにつながっているのかなと思います」

広島都市学園大学女子バスケ部は、宇品キャンパスで週5回、練習を行っています。3年生が2人と、一時は部員数の減少に悩まされましたが、ことし、1年生が6人加入。そのうち2人がスタメンに入るなど戦力が充実してきました。

この日は、皆実高校女子バスケ部との定例の練習試合。先週から取り組むゾーンディフェンスで、前半は皆実を苦しめますが、対策を取られた後半は逆に苦戦を強いられました。

特別指導にあたる広島ドラゴンフライズの 朝山正悟 ヘッドコーチもアドバイスを送ります。

広島ドラゴンフライズ　朝山正悟 ヘッドコーチ
「コンセプトがどういうアレなのかなっていうのが、この20分見た中でもあんまり伝わってこなかった」

関口奈優 主将
「きょう、やられたところをしっかり練習して、インカレでできたらいいなと思っています」

創部からチームを率いる 慶徳克二 ヘッドコーチは、皆実高校バスケ部監督時代の厳しい指導方法を一新。4年生の2人を信じ、託しています。

慶徳克二 ヘッドコーチ
「4年でなんとしても行くと、キャプテンは。すごい強い意志を持っていましたから」

関口主将と科野副主将の2人は、ともに子ども教育学部の4年生のゼミに出席しています。

慶徳克二 ヘッドコーチ
「バスケットに関わって、次の世代を育てる、そういう指導者に育ってほしい。そのためには今のようなスタンスで自分たちで課題解決していくという経験が必ず生きてくる」

関口奈優 主将
「メニューとかも2人で考えてやっていたんで、その今のチームの課題はなんなのかっていうのを、しっかり話し合って考える力が付きました」

科野有沙 副主将
「自分が良ければいいみたいな考え方だったんですけど、今はチームのことを考えて、チームが良くなるにはどうしたらいいかとか、自分は何をしたらすべきなのかっていうのを考えて行動できるようになりました」

2年生が多く辞めた苦い経験から、1年生とは積極的に食事に行き、コミュニケーションを取っています。

「絶品です…はははは。ふだんのバスケ以外の面でも知ることができたり、知ってもらえたりするので距離が縮まるかなと思います」「みんなで考えてバスケをするチームだから、意見をお互いに言い合える関係を作れていると思います」

全員が身長170センチ以下で、平均身長が162センチ前後というバスケ部としては小柄なチームですが…

慶徳克二 ヘッドコーチ
「その低い身長を生かす。逆に生かす。オフェンスは広くコートを使って攻める」

去年12月の新チームから取り組んだオフェンスが、9月には手応えを得るまでに成長しました。

関口奈優 主将
「自分と同級生の “アリ” が一緒に作り上げてきたんで、がんばってよかったなって。4年間、辞めようと思ったこと何回もあったんですけど、“アリ” が一緒にがんばったから、乗り越えたから、ここまで来られたと思うので」

初のインカレは今週末、1次リーグで福岡大学・札幌学院大学と総当たりで対戦、全国大会初勝利を目指します。

関口奈優 主将
「結果もこだわるけど、でも、どのチームでも自分たちのバスケットができたらいいなと思っています」

慶徳克二 ヘッドコーチ
「初出場ですから、怖いものなんてないですから、思いっきりバスケットをやってコートに表現してほしいですね」