「限界まで本を読みたい」「イスと毛布。寝袋も持ってきました。たくさん読みたい」
午後9時。たくさんの荷物を持った読書好きの人たちが入っていく先は、営業が終わった書店です。広島市で23夜から翌24日朝にかけて開かれたこのイベントは「丸善ジュンク堂に住んでみる」。読書好きにはたまらない12時間のイベントに密着取材です。
参加者は閉店後の書店に「住民」として一泊し、自由に読書ができます。2人1組で300件近い応募の中から、4組8人が選ばれました
参加者の“住民”
「エッセイや新書を読みます、好きな作家は恩田陸さん」
「人生の思い出に残る一冊を探したい」
「普段読まないジャンルに挑戦したい…できればハピエン(ハッピーエンド)で」
ジュンク堂書店 広島駅前店 三浦明子 店長
「住んでみるってことなので書店の本、すべて自分の本棚だと思ってもらって…手に届くところに本があるから読んでみようという気軽な感じで読書を体験してほしい」
このイベントは、ある読書好きが「ジュンク堂に住みたい」とSNSでつぶやいたことがきっかけで10年前から全国各地で開かれています。中国地方では初めての開催です。
イベントが始まって5分足らず、すでに読書を初めた“住民”も。
住民
「来る前から一番最初に読む本を決めていた。SNSで結構オススメって」
こんなカップルも…
住民
「たくさん買う気で来た。本は家に帰って読めるので…彼氏とお互いに読む本が違うが、本は好きなので、一緒に本屋に来てバラバラに過ごすことが多い」
マットを敷いて横になりながら本を読む人も
「(大胆な姿勢です読んでますね?)なかなかリラックスできていいです。本屋で横になれないんで…。(読んでいる本は?)メキシコで麻薬密売人に親を殺されて人が日本で働くという話」
お菓子や飲み物が用意されていますが、本を汚さないために決められた場所だけで飲食可能です。
住民
「読書で頭使うので、お腹すきました。」
「(本屋でお菓子食べるのは?)背徳感ありまくり」
広島市から参加した大学生の尾崎さんです。開始から1時間あまり、カメラに気づかないほどの集中力で、早速、一冊目を読み終えました。
広島大学の学生 尾崎優香さん
「(普段もこんなに集中してる?そうですね、一気に。慣れないミステリーでとまどったが、後半になるにつれタイトルの意味が何重にも重なりあって明かされるのが面白かった」
ジュンク堂書店 広島駅前店 三浦明子 店長
「本を読んでいて家族に呼ばれても気づかないときがある私も。外野の声や音を遮断したいとき(読書は)良い意味で逃げ場になる」
午前1時それぞれが思い思いの形で読書を楽しんでいました。ちゃっかり三浦店長も…
ジュンク堂書店 広島駅前店 三浦明子 店長
「最近忙しくて…あ、きょうは読めるじゃんって、向こうからとってきて読んでます」
午前3時、店内の一部を消灯するころには寝落ちしてしまう人も…
広島大学の学生 尾崎優香さん
(まだいけそうですか?)「まだ読みたい本があるので」
この日、尾崎さんは7冊を読みきりました。半数の参加者が寝ることなく本を読み続けていました。
住民
「目覚めた時一瞬混乱しました。なんでこんなとこにいるんだろうと」
「寝ても起きても本に囲まれて幸せだな」
ジュンク堂書店 広島駅前店 三浦明子 店長
「あなたをジュン区民(くみん)として歓迎します」
午前8時、本屋で一夜を過ごした証として「住民票」が発行されました。
住民
「気分が変わった時に違う本を選びに行けるのがすごい良かった。楽しかったです」
「数年に一回やりたいw」
広島大学の学生 尾崎優香さん
「早く本読むのやめて寝なさいて言われることはあっても、一晩中読んでいいよって言われることはなかったので、嬉しい、新鮮さ」
尾崎さんは、お気に入りの一冊を見つけたようです。
ジュンク堂書店 広島駅前店 三浦明子 店長
「それぞれの本にいろんなことがつまっていたり、いろんな経験を与えてくれるので、人との出会いと同じように、本との出会いを感じてもらえたら」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
青山高治 キャスター
「今回のイベントで、みなさんお気に入りの本を探せて満足されていましたが、参加者の中に、他の参加者が読んだ本を購入されている人が案外多くいたそうです。ジュンク堂広島駅前店、三浦店長によると、読みたい本を探すとき、自分の好みや価値観で探してしまいがちですが…人や書店のオススメを読んでみると、意外にも自分にあった本に出会えることが多いそうです。ジュンク堂では今後も、本と触れあえるイベントを開催したいと話しています。」
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