radiko:田口麻衣noみみコミ | RCCラジオ | 2024/11/24/日 16:30-16:45
内容:「第九ひろしま2024」
出演者:指揮者 沼尻竜典さん
去年に続き今年も「第九ひろしま」でタクトを振るう沼尻竜典さん。飾らない人柄と楽しいトーク、何よりも音楽への熱い情熱で人気のマエストロです。今年の「第九ひろしま」についてお話をうかがいました!
「第九ひろしま2024」のホームページは下の画像をクリック!
《沼尻竜典》プロフィール
ベートーヴェンから現代音楽まで幅広いレパートリーを誇り、交響曲、オペラ、バレエと豊富な経験を持つ。ベルリン留学中の1990年、国際的にも名高い指揮者を多く輩出してきたブサンソン国際指揮者コンクールで優勝。以来、ロンドン交響楽団、モントリオール交響楽団、ベルリン交響楽団など、世界各国のオーケストラで客演を重ねる。国内ではコンクール優勝直後にNHK交響楽団でデビュー以来、新生日本交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団などのポストを歴任、自ら結成した東京三鷹フィルハーモニーでの活動の他、作曲家として自ら作り上げたオペラ「竹取物語」を日本各地で上演、大きな成功を収める。
去年に続いて2年連続で「第九ひろしま」で指揮を務めていただきます。
2年続けて声をかけていただき、嬉しいですね。私自身もすごく楽しかった思い出があります。8歳から97歳の方までいろんなかたがいらっしゃって。1年の全てをその日の第九にぶつけていただいたような感じがしました。もう演奏中も何度もウルウルくるような場面がございました。
沼尻さんご自身もウルウルこられてたんですか!
そうですね。やっぱりねベートーヴェンの作品の素晴らしさもあるけれど、やっぱりそこに皆さんの気持ち、人生とか、その年の体験などの想いが加わり、そしてまた来年も良い年でありますようにという思いが重なって。やはり日本の第九が季節の行事となっているっていうところはね本当に素敵ですね。
そんな思いを持ちながらの指揮だったんですね。
今年は、8月に行われた「ひろしま国際指揮者コンクール」の審査員としても広島にいらして、広島とのご縁が続きますね。
ありがたいことに。そのときは10日間ぐらい滞在して、空いてる時間にお好み焼きをみんなで食べに行ったり、楽しく過ごさせていただきました。とっても素晴らしい才能を発見することもできましたし。
指揮者コンクールで演奏した広島交響楽団さんも、私が指揮する時よりも一生懸命弾いてるような…(笑)
あれ?ちょっとジェラシーですか。
(笑)若い人たちの指揮から出てくるインフォメーションは一つも漏らすまいとしてね。広響さんも一生懸命なのが印象的でしたね。やはりオーケストラが町にあるからこそできる行事だと感じがいたしました。
そうやって指揮者とオーケストラの皆さんで刺激し合いながら音楽を作り上げるんですね。
そうですね。指揮者も一方的に「こうやってください」というのではなく、この曲はいつもどうやってるのかな、などお互いにぶつけ合いながらリハーサルを進めて、いくわけでございます。
オペラ竹取物語は、沼尻さんが作曲そして台本も作られ、とても親しみやすい作品なんですよね。
竹取物語は、原作を読んだら本当に面白くて、スピルバーグ監督の、宇宙船が飛んでくるとかもうそういうSFのような世界が、平安時代に書かれた面白さがあります。作曲はもちろん大変でしたけど非常に楽しみながら作っていった思い出があります。う10年も前の話ですけど、今年も何ヶ所か演奏されます。
音楽を身近にしたいんです。私が昭和のおじさんなものですから、ドリフターズとかクレイジーキャッツ、山口百恵さんなど、そういう人たちのイメージをかぐや姫に重ねたりと、昭和の要素を盛り込んでます。
音楽を身近にしてくださる沼尻さんが、また今年も第九ひろしまのタクトを振ってくださいます。今年40回目を迎える記念の年ということで、スペシャルゲストにピアニストの角野隼斗さんをお迎えします。
カティン君はもう本当にもう今売れっ子ですよね。
沼尻さんとご縁がおありなんですよね。
そうなんです。あるテレビ番組で彼がピアノを弾きながら指揮もやりたいということで、コツを教えに行ったことがありまして。今回もねいわゆる「弾き振り」といって、指揮をしながらピアノを演奏します。しかも曲がガーシュウィンという、ジャジーな曲を書く作曲家のラプソディ・イン・ブルーです。
角野さんにお話を伺ったときに、「沼尻さんから『弾き振り』を教わったから、先生の前でやるのはなかなかの緊張だ」っていうことをおっしゃってました。
いやいや、もうテレビで1回披露していますし、今度は余裕じゃないですか。
でも相当難しいんですよね。
そうですね、ピアノのソロだけだって皆いっぱいいっぱいなのに、オーケストラの音を聞いて、「もっとこうやって欲しい」など指示を出して演奏を自分でまとめていく。まあオーケストラも非常に協力的にやってくれるわけですが、最終的に自分が全部の責任者になるっていうことですから、なかなか大変なことだと思いますよ。
そのうえ、もう一つ。沼尻さんと角野さんの「連弾」も聴けるそうですね!
いつの間にか入ってましたね(笑)
去年、RCCに来ていただいたときに少しだけRCCのロビーにあるピアノを弾かれたじゃないですか。ギャップがすごくて、ぜひたっぷり聞きたいなと思っていたんです。
なんだかロビーに素敵なピアノがありましたね…。いやもう角野さんのファンの皆さんは角野さん1人の演奏を聴きたいんじゃないのかなと思って。小さめの音量で弾こうかなとかいろいろ考えてしまいます。
ピアノはいくつから弾かれているんですか?
もう3歳からやってたんですよ。先生が家に来て下さるんだけど、先生が来たら昼寝しちゃってたそうです。指揮は大学に入ってからですね。まだその頃は作曲をやっていまして。作曲は「自分の曲が後世に残る」と思ったんですが、そんなに後世に残るような曲が書ける作曲家なんて何人もいない。もう大変でした。指揮の方が楽しそうだなっていう消去法の人生を歩んでまいりまして(笑)
指揮者になってみてどうでしたか?
作曲は大体自宅の狭い部屋でカリカリ作業をしますが、指揮はいろんな人と会議をしたり曲目を決めたり、100人ぐらいの人と一緒に演奏して、それこそ住野さんみたいな人とも友達になれるし、自分には向いてるなと思いました。ちょっと回り道をしています。でも、その回り道も役に立っています。
今年は、沼尻さんのピアノも楽しみです。そして第2部がベートーベン作曲 交響曲第9番です。沼尻さんは相当エネルギーを使われますね!
多分、私にとって一番大変なのは、前半のピアノで、第九で本業に戻ったらホッとするかもしれないですね。
今年はどんな第九にしたいですか。
いま第九は学術的に演奏する人が多いんですよ。例えばベートーヴェンの時代はこういう弾き方をしていたとか、譜面にはこう書いてあるけどこれは研究した結果間違いでした、など。でも、私の場合はもう子供の頃から聴いてきた、自分の聴きたい第九をやるぞ!と、ある意味開き直っちゃっています。新しい演奏法などにあえて背を向けて、昭和の時代から代々聴いてらっしゃる方にはすごくハマる方向でいきたいと思っています。安心して昔からのファンの方も聴いて下さい。
年末には第九ひろしまの特別番組をテレビやラジオでも放送いたしますので、会場に行かない方は、そちらもぜひ。
全部映るのはプレッシャーですね…。
より多くの方に楽しんでいただけるということで!
そうですね、会場にも来ていただいて、さらに放送でますます楽しんで頂けたらと思います。
「第九ひろしま2024」
日時:12月15日(日) 午後2時開場 午後3時開演
場所:広島サンプラザホール(広島市西区)
チケット:指定席(SS席・S席)は完売 自由席5000円
詳しくは第九ひろしまの公式ホームページをご覧ください。
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