広島市の繁華街やオフィス街を重さが150kgを超えるリヤカーを引いて、おにぎりの移動販売をしている女性がいます。SNSでも話題の27歳の店主…。どんな思いでおにぎりを届けているのでしょうか…。
東 果穂さん(27)は、移動販売のおにぎり店「that’s rice」の店主…。この日も力強く引っ張っていきます。
このリアカーは、東さんの祖父が手作りしてくれた自前のもの。リアカーの重さは150kgもあります。
that's rice 東 果穂さん
「オープン当初より、おにぎりの量が増えて重くなりました」
記者)足腰は大丈夫ですか?
「体力が結構ついてしまい…!」
リヤカーを進めていると、街の人から「果穂ちゃんスターじゃね!」「頑張ってね!」と声をかけられます。すでに街の人気者です。
「that's rice」が特集されたYouTubeの動画は、170万回再生を超えました。また、インスタグラムのフォロワーは6000人を超えていて、「SNSで見たよ!」と声をかける人も増えたといいます。信号待ちで立ち止まると、リアカーの居場所をSNSに投稿します。
that's rice 東 果穂さん
「いまSNSで出発したことをお知らせしました!」
東さんがリアカーでの販売を選んだ理由は、「誰かに見てもらって楽しんでもらいたい」という思いでした。
that's rice 東 果穂さん
「リヤカーだったら『え、何?』という感じで、物珍しさで見て楽しんでもらえるというのが一番うれしい」
that's rice 東 果穂さん
「きょう販売するのは、100個と、予約分なので合わせて120個くらい作ります」
午前7時半、キッチンを訪れると、すでに仕込みが始まっていました。
that's rice 東 果穂さん
記者)きょうは7時半から準備と聞いていたのですが…?
「さすがに7時半からでは作り終えられなかったので、3時半ぐらいに来てやることになりました」
記者)3時半からずっとやっているんですか?
「そうですね。夜中からやっています」
この日は、予約もあわせて、約120個のおにぎりを作ります。
that's rice 東 果穂さん
Q.朝早くて眠くないですか?
「朝に強いので大丈夫です!元々は、夜に帰るとぐったりしていました(笑)」
3月末にオープンしたお店は、東さんが1人で切り盛りしています。
元々、携帯電話の販売会社で働いていた東さん…。しかし、自分で何かしてみたいと考えるようになりました。
that's rice 東 果穂さん
「転職活動をたくさんしていた時期があって、『普通すぎる仕事がいやだ』とか『雇われるよりも自分でしたい』ということを親に相談していました」
「和食」かつ「1人でできるもの」を模索しました。その条件を満たしたのが「おにぎり」でした。販売しているのは、雑穀米も含めたおにぎり14種類と、サイドメニューです。
that's rice 東 果穂さん
「メニューを考えて、周りの人に食べてもらって意見をもらうなどして決めています」
記者)厳しい意見だったら?
「意見を参考にして試作します!」
試行錯誤の末に生まれた自信作と一緒に歩きます。
リアカーを初めて見つけたというお客さんに客「かなり有名人でしょ」と言われるも、東さんは「いや…自分だとわかんなくて…」と謙遜していました。
客
記者)たまたま見つけた?
「たまたまです。買い物してるときに遠くで発見して、行かないといけんと思った。次にいつ見つけられるかわからんからね(笑)」
販売開始から1時間。ちょっとした坂は、腰を入れて「気合」で進んでいきます。場所を変えて、紙屋町に到着しました。
客「おいしいんよ。ほんで(東さんの)笑顔がええじゃろ。サンモールから出てきたら偶然いて」
東さん「ばったり会いましたね!」
中には、韓国から旅行で来たお客さんも…
韓国からの旅行客
「広島のYouTubeを見ていてこのお店もみていました。歩いていたら『マジ!?YouTubeで見た人だ!』と思った」
お昼が近づきお客さんの数も増え、完売も近づいてきました。
that's rice 東 果穂さん
「あと7個です!」
記者)もうちょっとですね
「そうですね。あとちょっとです」
その後も一人一人、丁寧に対応していきます。歩いていると、「インスタでみたよ~」などと声をかけられます。
そして…
that's rice 東 果穂さん
「ありがとうございました!完売しました!」
午後1時すぎ、この日の商品が完売しました。
that's rice 東 果穂さん
「夏に熱中症で倒れたりして、一回休業しました。ですけど、いまはやるしかないと思って、根性で続けました」
やめたくなったとき、支えになったのは、お客さんの存在でした。
that's rice 東 果穂さん
「常連さんがついてきたので、自分の自信にもつながってきて、**売れなくても『明日やろう』**と。それを続けてきて今だな、と。すごくやりがいを感じているし、楽しいばかりで、広島をもうちょっとでも盛り上げたい。」
今後の目標は…?
that's rice 東 果穂さん
「今は出せない、“いくら”とか“生もの”をだしてみたい、という夢があります。小さい店でもいいので持ちたいと思っています。」
少し軽くなったリアカー。次の営業日には、たくさんの「おにぎり」を積んで広島の街を巡ります。
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